(写真)「平成28年度日米共同統合演習」実施計画に記されている「定時報告(日報)様式」

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 南スーダン、イラクに続く、陸上自衛隊の新たな「日報」隠ぺい疑惑。日本共産党の連続追及で、安保法制=戦争法施行後に行われた日米共同演習など、共同訓練の「日報」が隠ぺい・破棄されている可能性が濃厚になりました。

義務化の証拠

 日本共産党の穀田恵二衆院議員は昨年4月、安保法制が成立した以降の2015年10月〜18年3月に陸自が参加した海外での共同訓練での日報の開示を要求。期限は18年11月としていました。

 ところが防衛省は回答を引き延ばし、今年3月になってようやく、対象となる訓練30件中、「日報」を含む定時報告の存在が確認されたのは3件だと報告しました。

 原田憲治防衛副大臣は「共同訓練では定時報告の作成は一般的ではない」(3月13日、衆院外務委)と弁明。ところが同省が穀田氏に提出した「平成28年度日米共同統合演習(実動演習)実施計画」(16年10月14日付)の別紙「定時報告様式」(写真)には、「過去24時間の主要な部隊行動について、部隊名、実施場所、概要、異常の有無を記載」などと、具体的に「日報」作成方法を指示しています。

 この演習は、報告された3件には含まれていません。少なくとも、この演習の日報は隠ぺい・または破棄されている可能性が濃厚となりました。

 日本共産党の宮本徹議員は12日の衆院外務委員会で、なぜ、この演習に限っては「日報」を求めていたのかと追及。原田副大臣は日報作成を求めていた事実を認めたうえで、「大規模な訓練なので、必要な報告の一つとして求めていた」と弁明しました。

異常な消極性

 こうした経過から浮かび上がるのは、共同訓練「日報」の情報開示に対する、防衛省の異常なまでの消極性です。なぜ、ここまで後ろ向きなのか―。

 その謎を解明するポイントは、穀田氏が最初に情報開示を要請した時期(昨年4月)にあります。当時、防衛省ではイラク派兵日報の隠ぺい問題が発覚。稲田朋美防衛相らの辞任(17年7月)にまでいたった南スーダン派兵の日報に続く新たな隠ぺい事件で、省内に激震が走っていた最中でした。

 ここで、さらに新たな日報問題が広がれば大変な事態になる―。だから姑息(こそく)な時間稼ぎで国会審議から逃れようという思惑が透けて見えます。

 防衛省は共同訓練「日報」の調査期間を6月28日までと設定していますが、国会会期は6月26日までです。宮本氏は、「そのような姑息な期限は撤回し、調査を通じて新たな事実が判明すれば、その都度公表すべきだ」と追及しました。