ジャワ島の高速鉄道計画は全長142キロメートルで、そのすべてにおいて中国の規格と技術が採用された。しかし、・・・(イメージ写真提供:123RF)

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 日本と中国が受注を競い、中国が受注したインドネシア・ジャワ島の高速鉄道プロジェクトはすでに建設が進められているが、同プロジェクトに頓挫の可能性が浮上しているのだという。中国メディアの網易はこのほど、ジャワ島の高速鉄道計画はインドネシアの国と国民の双方にとって利益になる計画であるはずなのに、ここにきて頓挫の危機に直面していると伝えた。

 記事は、ジャワ島の高速鉄道計画は全長142キロメートルで、そのすべてにおいて中国の規格と技術が採用されたと紹介。インドネシアでは4月17日に大統領選挙が行われるが、同プロジェクトを推進してきたジョコ・ウィドド大統領の支持率は野党の大統領候補プラボウォ・スビアント氏を上回っているものの、スビアント氏は劣勢を挽回するために中国との共同プロジェクトの見直しを掲げたと指摘した。

 続けて、スビアント氏が主張した「見直し」には、ジャワ島の高速鉄道計画が含まれるのは疑問の余地はないと強調し、こうした「流れ」はまるでマレーシアのマハティール大統領が中国とのプロジェクト見直しを打ち出したことを連想させると主張した。

 一方、中国は世界第2位の経済大国であり、人口は世界最多の国であり、インドネシアにとって中国市場はチャンスに他ならないとし、しかも中国はインドネシアにとっての最大の貿易相手国だと指摘。中国との関係を考えれば、インドネシアが簡単にジャワ島の高速鉄道計画を撤回できるとは思えないとした。

 さらに、ジョコ・ウィドド大統領の支持率はまだスビアント氏を上回っているため、現時点では高速鉄道計画が頓挫する可能性はさほど高くないと主張。しかも、もしインドネシア側の一方的な理由で頓挫するとなれば、高額な違約金が発生するほか、インドネシアの国際的な信用にも関わるはずだと指摘し、すでに建設が進んでいる高速鉄道計画を撤回させることのないよう釘を刺した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)