にわかに周辺が騒がしくなってきた香川。ベジクタシュへの完全移籍は現実味が乏しいか。(C)Getty Images

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 日本代表MF香川真司の周辺が、にわかに騒がしくなってきた。

 今冬にボルシア・ドルトムントから半年間のローン契約でベジクタシュに移籍した香川だが、ここにきて完全移籍への交渉が難航。ドルトムント側が提示したとされる1250万ユーロ(約16億2500万円)の買い取り額は、ベジクタシュが想定した当初の予算を大幅にオーバーしているようだ。クラブのフィクレト・オルマン会長は「我々はシンジととてもハッピーな関係を築けており、ぜひとも契約したいと考えている」と本音を漏らしつつ、「だが、来シーズンのスカッドはより小規模で予算を削減しなければならないんだ」と、苦しい台所事情を明かした。

 トルコの地元紙『Fanatik』は「おそらくシンジ・カガワはこの夏にベジクタシュを去るだろう」と予測。そのうえで「ドルトムントに1000万ユーロ(約13億円)を超える額を払えるのは、彼らしかいない。プレミアリーグ勢だ」と報じている。なかでもここにきて取り沙汰されている有力候補は、現在チャンピオンシップ(FLC/イングランド2部)に属する古豪、リーズ・ユナイテッドだという。

 リーズは現在、FLCで自動昇格圏内の2位に付けている(3位から6位が昇格プレーオフに回る)。首位のノーリッジ・シティと3ポイント差(リーズが1試合消化が多い)、3位のシェフィールド・ユナイテッドとは3ポイント差とまだ予断を許さない状況ながら、アルゼンチン出身の名将マルセロ・ビエルサの下で躍進を遂げてきた。16年ぶりのプレミア昇格を果たせば大型補強に打って出るのは間違いなく、香川を獲得リストの上位に据えているのかもしれない。リーズは元日本代表MF井手口陽介が籍を置いており、現在はドイツ2部のグロイターフュルトに貸し出されている。

 
 さらにドイツや英国の複数メディアが伝えている候補先が、ウェストハム・ユナイテッドとエバートン。この2チームは今年1月にも獲得に乗り出したが、その際はドルトムントにオファーを却下されたと言われる。ほかにもシャルケ04、バイヤー・レバークーゼンなどブンデスリーガ勢も依然として強い関心を寄せており、移籍マーケットでの香川の人気ぶりが窺えるだろう。

 いずれにせよ、夏にドルトムントへ別れを告げるのは必至。どの国のどのリーグに活躍の場を移すのか、“SK23”の今後の動向が注目される。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部