将来のMacBook Proは網膜認証に? Face IDよりもセキュアな特許が出願
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アップルがTouch Bar搭載のMacBook Proにつき、顔認証のFace ID追加を検討していると思しき特許を出願していることが明らかとなりました。

特許情報に詳しいサイトPatently Appleによると、欧州特許庁は4月12日(現地時間)に、アップルが出願した多くの特許資料を公開したとのこと。その中にTouch Bar付きのMacBook Proに関連して、新方式のFace IDへの言及があったと報じられています。具体的には特許出願の第86号で、Touch Barを備えたデバイス(現状ではMacBook Proしか存在せず)も生体認証装置として「顔検出センサー」を使用できると記述。さらに第87号では「生体認証センサーは網膜スキャンである」と述べられているとのことです。

網膜スキャンとは生体認証方式の一種で、各個人に固有な網膜パターンによって特定する技術。網膜に血液を供給する毛細血管のネットワークは複雑なため、網膜パターンは双生児であっても全く異なるとされています。

アップルはiPhone XへのFace ID導入にあたって「双子や似ている兄弟姉妹」は統計的な確率が違ってくるとして、暗に見分けが付かずに騙される可能性があると示唆していました。また精巧に作られたマスクでFace IDが突破されたとの報告もありましたが、より複雑なパターンを照合する網膜スキャンであれば、偽造やなりすましのハードルも高くなるわけです。

さらに数多くの特許出願の中には、同社のMagic Keyboardなど外付けキーボードにTouch Barを搭載するアイディアも含まれています。もっとも、こちらは2017年4月にアップルが同様の特許をUSPTO(米国特許商標庁)に出願していたと明らかとなっており、目新しいものではないと言えます。

アップルは毎週のように多くの特許を出願しており、そのうち実際の製品に反映されるものはごく一部に過ぎません。今回の新たな特許も、単なる概念のままでお蔵入りになる可能性もあります。

ただし、アップルは「困難な生体認証の場合のための静脈マッチング」、すなわち皮膚下にある静脈の配置を認証データに用いる技術など、堅牢なセキュリティの実現に繋がる複数の特許を出願しています。この内どれかが、将来的にはFace IDに取って代わるのかもしれません。