撮影:稲澤 朝博

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「子どもと遊ぶのが大好き」

2015年に原作誕生から70周年を迎え、長きにわたって世界中の子どもたちに大人気の『きかんしゃトーマス』。

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その劇場版最新作『映画 きかんしゃトーマス Go!Go!地球まるごとアドベンチャー』(4月5日公開)ではトーマスがソドー島を飛び出し、なんと世界一周の旅に出発します!

物語の始まりは、世界一周ラリーに参加するため船の出航地・ソドー島にやってきた一台のレーシングカー・エースとの出会い。

エースの話にたちまち魅了されたトーマスは、「ほかの国にだって線路くらいあるだろ」というエースの言葉に背中を押され、世界一周する初めての機関車になろうと決心。意気揚々と港を出発します。

そんな今作で、トーマスに広い世界と自由のすばらしさを教えるエースを演じるのが、人気ダンス&ヴォーカルグループ・DA PUMPのISSAさん。

昨年リリースしたシングル曲「U.S.A.」は、キャッチーなリズムとダンスがちびっ子たちにも大人気! 日本中の保育園や幼稚園で、子どもたちが曲中の“いいねダンス”を踊る姿が見られました。

「U.S.A」をきっかけに、ちびっ子ファンも急増。「僕、“U.S.A.のお兄さん”だと思われているんで(笑)」と嬉しそうなISSAさんが今回、「きかんしゃトーマス」の世界にふらりと現れた自由人ならぬ“自由カー”エースを演じます。

今作も、これまでの「きかんしゃトーマス」劇場版同様、冒頭からちびっ子を飽きさせない音楽いっぱいの楽しい構成。

その中でも、パワフルな歌声を響かせるなど縦横無尽の活躍を見せるISSAさんに、アフレコの裏側や「子どもと遊ぶのが大好き」という素顔について、たっぷり伺いました。

エースは「昔の自分を見ているような気がしました(笑)」

――今回がアニメ声優初挑戦なんですね。

はい。キャラクターを通して自分が歌ったり声を発することって独特で、最初は「すごく難しいな!」と感じました。周囲の方が盛り上げてくださって、それに乗っかって演じ切ることができた、という感じです。

でも、演じている間も自分の中で“進化させてもらっているな”と感じられて楽しかったですし、完成したものを見たら「トーマス」の世界の中で自分の声がエースとして生きていると思えて、本当にいい経験をさせてもらいました。

――エースは自由を愛していて、自分の信じる道を突き進むタイプ。一方で、ちょっと小生意気な部分も…キャラクターに共感できる部分はありましたか?

昔の自分を見ているような気がしましたね(笑)。僕にも生意気な時代があったと思うので。そういう意味ではやりやすかったです。エースって、小生意気ではあるんだけど憎めないキャラクター。そんな風に見ている人に思ってもらえたらいいなと思いながら演じました。

エースは「ハッハー!」っていう笑い声なんかも特徴的で、そういう部分は自分も映像を見て、それが日本語に変えたときにうまくハマるように楽しんで演じました。キャラクターの特定の部分を過剰に演じたということではなく、現場でその都度OKをもらいながら自然に進めていった感じですね。

――気に入っているシーンはありますか?

エースがトーマスの上に乗せてもらって旅をするシーンでは、助けてもらっているのに「オレはこんな列車の旅なんかしたくないんだ」っていう、“何言ってんだよ”みたいなところもあって(笑)。

それを面白おかしくコミカルにやらせてもらっていて、エースのそういう、ちょっとわがままだけど憎めない部分は好きですね。

歌唱シーンは「新鮮に感じてもらえると思います」

――本作では、アフリカや南アメリカ、中国など世界各地の特徴的な音楽がたくさん出てきます。ISSAさんはどのシーンの音楽が気になりました?

アフリカの雰囲気が好きですね。劇団四季さんの『ライオンキング』もそうですけど、アフリカ独特の音やコーラスには、魂に訴えかけてくるリズムや響きがあって。特に、アフリカの音楽に入ってくるコーラスには“地球”とか“母なる大地の力強さ”みたいなものを感じるので。生命力というか、沸き立つ感じがありますよね。

あとは、エース自身も「じゆうきままに」という曲を歌っていて、その曲ももちろん好きです。

――キャラクターとして歌うことに難しさもあったそうですが?

歌のシーンは、全部のシーンを収録したあとに別で収録したんですが、ミュージカル的な要素をすごく感じました。自分が普段歌っている感じとは全然違っていて、キャラクターを演じながら歌う難しさというか。難しかったけど楽しかったな、という印象ですね。

僕が普段歌うときは、どんな歌詞でもそれを自分の中で消化して、自分の色に染めて歌うように意識をします。でも今回は歌の中にちょっと小生意気さを出さなきゃいけなかったり、普段よりは“枠にはめる”難しさがありました。その枠にはまれば、あとは自分がその中で思う存分暴れるだけなので。

そこまで行ってからはスムーズにいきましたね。

――本番は、どんな気持ちで歌ったのですか?

誰かを思うというよりは、“じゆうきままに”っていうエース自身の生き方みたいなものを思い描きながら歌いました。

ISSAとしてではなくエースとして歌わせてもらっているので、僕のことを知っていただいている人からしたら新鮮に感じてもらえる部分があると思います。ぜひ注目してほしいですね。

劇中は“友情”も大きなテーマ

――劇中では“友情”も大きなテーマになっています。

エースというキャラクターはうまいことばかり言ってトーマスを引っ張り出すんですが、結局トーマスはこの旅の中で自分にとって大事な“友達”というものにたどり着くんですね。

ソドー島では仲間たちがトーマスの帰りを待っていて、自分の仲間を大切にしたい、というところに戻るんです。そこは印象深いですね。

僕自身、今の仲間と10年苦労してやってきた部分もありますし、今、一人ひとりが充実して、やりたいこともたくさんあって、そのうえで毎日みんなが笑顔でいられるのが感慨深いですね。

この笑顔を絶やさないようにどうやっていこうかな、と今は思っています。

「僕、“U.S.A.のお兄さん”と思われているんで(笑)」

――昨年は「U.S.A.」(1992年に発売されたユーロビートソングのカバー)がちびっ子たちにも大流行しました。こんなに小さい子どもたちに人気が出るという予感はありました?

まったく思っていなかったですね。曲そのものが持っている独特の音に今の音も足しながら、あの歌詞、ダンス、すべてのピースがたまたまこのタイミングでうまくハマったんだろうなと。

そこに自分はただ、一生懸命楽しんで歌っていこうと。それだけをいつも思いながらやっています。

――その「楽しんで」というところが子どもたちにも伝わっているんだと思います。ファン層の拡大は実感されていますか?

先日、テレビの音楽番組で保育園の子どもたちと「U.S.A.」を一緒に踊ったんです(『CDTV 卒業ソングSP』TBS系)。

どういうところに行きたいかって番組の方に聞かれたときに、純粋に踊れる小学生、中学生、高校生と踊るのも楽しそうだと思ったんですが、今回はもっと無垢な時代の子どもたちに会いに行きたいと思って。子どもたちも大歓迎してくれて、こんな小さい子まで知ってくれているんだっていうことは純粋に嬉しかったですね。

子どもがいる同級生とか後輩からも、今回DA PUMPとしての情報ではなく(子ども向け映画出演というところから)僕の情報が入ったことに「すごいね」と言ってもらえたことも嬉しかったですし。「U.S.A.」があったからこそ今回の機会もいただけたと思うので、純粋にありがたいですね。

今回の映画でもきっと、見に来てくれたお母さんが「『U.S.A.』のお兄さんがエースの声をしているんだよ」って言ってくれると思いますし。そう、僕、“「U.S.A.」のお兄さん”だと思われているんで(笑)。それはもちろん嬉しいことです。

子どもたちにとって何かに憧れを持つきっかけになってほしい

僕自身、子どもの頃はレーサーになりたかったんです。

その後、ダンスと出会ってからは真剣にダンスに打ち込むようになって、この世界に飛び込むチャンスをいただいてどんどん変わっていったので、僕の今やっていることが、子どもたちにとって何かに憧れを持つきっかけになってくれればいいなと思います。

――「U.S.A.」を通して日本中の子どもたちと触れ合ったことが今回のエース役に生きた部分はありましたか?

僕、もともと大人と遊ぶより子どもと遊ぶ方が好きなんです。友達が子どもを連れて遊びに来てくれても、友達本人より子どもと一緒にいるほうが多いタイプで。

今、グループのイベントで握手会をやるとちっちゃいお子さんがいっぱい来てくれるようになったんですが、彼らには純粋無垢なパワーをもらえるんですよね。ちっちゃい子ども独特のにおいも好きだったりするので、子どもと遊ぶのが好きな自分でよかったなと思いますね。

――エース役を機に、これからもいろんな子ども向けアニメに挑戦してほしいです。

それはもういただけるものがあるならやりたいですけど、あえて言うとしたら悪役をやってみたいですね。悪いヤツをやってみたいな。子ども向けでもとにかく一回、引くぐらい悪い役をやってみたいですね(笑)。ふり幅大きくしていったほうがいいと思うので。

僕自身、自分の芯はありつつも、いろんなところから入ってくる情報を入れたいと思うタイプなので、なんでもやらせていただけるならやっていきたいです。

「今日という日は1回しかない」

――子どもはエースのように“じゆうきまま”。かわいい反面、子どもが言うこと聞かないと疲れ切っているママは多いです。ときには手を上げてしまって後悔したり…。

難しいんだろうと思いますね。親子に限らず、現代は虐待って言われがちですし。でもそれは愛をもってちゃんと接しているっていうことだと思うんです。

自分たちが子どもの頃も、必ずしも体罰ではなく教えてもらう手段の一つとしてそういう行動もあったと思います。

言葉でいくら言っても限度があるのだろうし。

疲れることはたくさんあっても今しかないわが子の成長だと思って、自分しかできない愛情の注ぎ方で接していってほしいと思います。今日という日は1回しかないので。

その場面その場面を今日一日のメモリーとして刻めるようにちょっと意識を変えれば、ストレスもちょっとは軽減するのかな。

「あのときこうすればよかった」と思ってもできないですから。

子育てにかぎらずすべての場面で言えることですけど、“あの時”は今なんだからっていうことをいま一度、思い出せたらいいですよね。

疲れてくるし、家のこともやらなきゃいけないし、何もかも…ってなるとなかなかそういう意識から遠のいてしまう部分はあると思うんですけど、いま一度、その瞬間は今しかないんだってことを思って、楽しもうと思っていただけたら気持ちもちょっとは明るくなるんじゃないかなと思いますね。

――音楽の力も借りながら。

そうですね!いい音楽は、本当に助けになってくれると思います。子どもが純粋に聴く音楽、子どもが好きになる音楽、ママ自身が好きな音楽でもいい。いっぱい聴かせてあげた方がいいと思いますね。

“じゆうきまま”でやりたいことにのびのび向かうエースと、“楽しんで歌う”ことで日本中を熱狂させるDA PUMPのボーカル・ISSAさん。

そんな2人の魅力が溶け合った音楽と、仲間の大切さに素直に感動できる「映画 きかんしゃトーマス Go!Go!地球まるごとアドベンチャー」で、ちびっ子もパパ・ママもみんな一緒にすてきな世界一周旅行に出かけてみてはいかがでしょうか?