ドル監督(右)も驚くまさかの事態で苦境に立たされた浅野(左)。今後の去就に注目が集まる。 (C)Getty Images

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 アーセナルから1年のレンタルでハノーファーに加入した浅野拓磨。先週、ドイツの老舗サッカー専門誌『kicker』が「あと1試合でも浅野を試合で起用した場合、350万ユーロ(約4億5500万円)での買い取り義務が発生する。そのため、ハノーファーの首脳陣は浅野の起用を禁止する書面を監督に送った」と報じた。

 報道された時点では事実かどうか不明だったが、先週末に行なわれたヴォルフスブルク戦で、浅野はベンチ外となっていた。

 そして試合後の会見で、トーマス・ドル監督が浅野について言及し、”起用禁止令”の存在を認めた。

「ここまで色んな経験をしてきたつもりだったが、18年の指導者人生で、こんな奇妙なことは初めてだ。私はあくまで雇われの身なので指示されたことには従うしかない。昨日、彼と膝を突き合わせて話し、この状況について説明したよ」

 “起用禁止令”を出したとされるマーティン・キント会長も、『kicker』の取材に対し、この事実を認めている。

「これはクラブの経済的な決断であり、クラブ間の契約問題だ。こうした契約は不当だと判断している。我々はこうしたケースから、いくつものことを学ぶ必要がある。こんな契約はすべきではないとね」

 気になるのは今後の浅野の処遇だが、ドル監督は、「今後の話はまだ明らかにできない。これはクラブの内部で処理されることだ。だが、浅野はこれからも成長を続けることができるプレーヤーだと思っている」とコメント。ハノーファーに残って練習にだけ参加するのか、詳細は明らかにされていない。

 浅野の保有権をもつアーセナルは、買い取りを拒否する姿勢を見せたハノーファーの対応に怒っているとの報道もある。来シーズン、浅野は何色のユニホームを纏っているのだろうか……。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部