教員も教材も不足/パラグアイ 4万人授業受けられず/教育危機 高校生らスト

写真拡大

 南米パラグアイの公立学校で教員・教材不足で必要なクラス編成ができず、1月からの新学期以来、授業を受けられないままの生徒が4万人にも上る事態となっています。政府に問題の早期解決を求める高校生たちは3日から各地でストに突入、5日までに約40の高校で校長や教員組合の支持をえたストが実施されています。

 現地からの報道によると、教員不足の直接の原因は、25年前に大量採用された教員が一斉に退職年齢を迎え、昨年1年間だけで約4000人が退職したことです。教育省は大量退職を予想できたにもかかわらず、新規採用や退職者の再雇用などの対策を十分にとっていなかったことが深刻な教員不足を引き起こしています。

 ストを呼び掛けた全国高校生連合(FENAES)は、首都アスンシオンの国会前のアルマス広場で野外自習授業を実施。同連合のアレハンドラ・オレゴさんは、「私たちの仲間たちは、これ以上授業を失うわけにはいかない。教育省は大量の退職を予想すべきだった」と地元紙に怒りの声をぶつけました。

 教育労働者組織(OTEP)によると、新学期に必要な教育資材の不足が起きている学校は2000校を超えています。同組織に加盟しているブランコ・アキノさんは「教育省は教材の不足を埋める中短期の計画を持っていなかった。こんな危機は前代未聞だ」と批判しました。

 ペッタ教育相の責任を追及すべきだとの声も高まっています。全国学校長組合(SINADI)のミゲル・マレコス書記長は、ペッタ氏が、教育分野の知識がなく、補佐役にも教育関係者がいないと指摘しています。

 高校生や労組は、ペッタ氏の責任を明らかにするための国会公聴会を開催すべきだと主張。運動が高まる中で、与党議員にも賛同が広がり、上院は4日、来週にも公聴会を開催することを議決しました。

 前出のマレコス書記長は公聴会を前に、問題点を列挙した文書を上院に提出。150億グアラニ(約3億円)でロシア製の寒冷地仕様移動教室車を購入している問題で、この決定過程に教育インフラ局が関与していないのはなぜか明らかにすべきだと主張。公聴会は、教育相が関わる汚職事件に発展する可能性もありそうです。