『上様』『品代』領収書の脱税を見逃すな!
2006年01月12日10時17分 / 提供:PJ
国税局や税務署は、領収書の『上様』という架空の宛名をなぜ黙認するのか。『上様』という領収書の狙いは、発行元に企業名を残させず、脱税の意図と魂胆があるからだ。領収書はデパート、スーパー、飲食店、鉄道、タクシーなど、あらゆるところで発行される。客から「社名を書いてください」といわれて、面倒だからと拒絶をするところはまずないはずだ。
『上様』という宛書の裏には架空の経費の引き落としという、悪質で計画的な脱税行為であるのは明白な事実である。領収書そのものが売買されたり、横流しされたり、脱税に使われているのだ。個人企業、中小企業、さらには大企業までが、『上様』という領収証のねつ造を行っているけれど、ほとんど野放図にされている。『上様』は殿様とならんで封建制度のもので、現代では死語だ。それなのに、領収書だけは堂々とまかり通っている。断固、斬り捨てるべきだ。
確定申告のシーズンが近づいてきた。国税庁長官の名で、全国に524ある税務署には『正式な企業名を書いていない領収証は認めない、不正とみなせよ』と通達を出すべきである。「あなたの会社は社名があるんでしょ。なぜ、企業名や商店名が書けないんですか」。税務官が通達を下に、片っ端から、一言を投げかけるだけでも、脱税への強い抑止力になる。
もうひとつの元凶は『品代』である。PJが聞き取り調査した渋谷区の某スーパーでは、品名が正確に書かれた領収書は18%だった。82%の領収書が『品代』である。全国的にほぼ同率だろうと推量できる。
『品代』の内訳は何か。婦人用の高級下着が機械製作会社の事務経費になったり、生鮮食品が商事会社の消耗品になったり、子ども玩具が工務店の備品になったり、『品代』という名を借りた悪質な脱税行為につながっているのだ。許すべきではない。
最近のPOSレジ機は格段に機能が進み、客からの要望があれば、ボタン一つで領収書の表紙が発行される。しかし、多くの客は明細の添付を嫌うという。同スーパーで、複数のレジ担当者から聞き取りすると、領収書を必要とする客で、明細をつけるのは30人に1人くらい、という答えが返ってきた。『上様』と『品代』と書いて、認め印を捺す。その繰り返しだというのだ。「買った品物の明細を欲しがらないお客さんは、脱税するからでしょ。私の印鑑が悪用されているようで、いつも不快に感じてるの」。20代半ばのレジ担当の声は率直な気持ちだと思う。
全国には、法人が152万9616社ある(内閣府統計局、平成16年度調査資料)。不正を行わない厳格な企業も数多くある。乱暴ではあるが、この際はそれを棚上げし、単純推量で一社が1カ月1万円の領収書不正を行ったとすれば、1年間に1824億円、10年間で1兆8000億円に税率を掛けた分が脱税額となる。それだけ国家財政の収入減となるのである。
「1社の領収書不正使用が1カ月に1万円じゃすまないよ。ビック企業だってあるんだから、10万円は軽いよ」。となれば、10年間で18兆円の課税所得が失われたことになる。これは単なる数字の遊びだろうか。正確な数字は皆目わからないが、領収書のねつ造が財政赤字で苦しむ元凶のひとつになっていることは確かだ。
現代はPOSシステムが発達し、普及し、規模を問わず多くの店舗で導入されている。領収書には「レジ番号−領収書の発行連番−レシート・ナンバー」が記載されている。その番号で管理された売り上げ明細が、一年間以上にわたり、コンピュータによって保管されているのだ。いつでも引き出せる。
「この領収書の品代は不明瞭ですね。領収書の番号で追跡調査しますよ」。国税局や税務署が行動を起こせば、品名、数量、金額が明瞭にわかる。ねつ造領収書と見破れば、それが証拠物件になる。追徴課税すればいい。国税庁は国家の厳しい台所を考えれば、ためらう必要などない。『上様』『品代』と記載された領収書は脱税の元凶だ、と厳しい目を向け、全面排除へと向かうべきだ。
耐震構造計算をねつ造した一級建築士がいた。それをチェックする機関が機能しなかったから、真新しいマンションやビジネスホテルの取り壊しがはじまった。領収書ねつ造問題も同様である。『上様』『品代』が野放しで、国税局や税務署のチェック機能が働かなければ、国家の土台が大きく傾くことは必然だ。それがサラリーマンの税の不公平感、社会保障制度への不信感、さらには若者を中心とした国民保険の未払い増加というさらなる悪循環に結びついていく。国税庁はそうした危機意識をもつべきだ。
確定申告の時期だ。キャンペンガールを使った納税義務を促す、従来型ポスターから脱却するべきだ。『領収証ねつ造は重大な犯罪です、国を滅ぼします』。国税庁は、麻薬撲滅運動と同じように、領収書の宛名『上様』と明細『品代』はやらない、やらせない、というポスター作戦をくりひろげるべきだ。それが税の公平さを保ち、国家赤字の危機を回避する原点になる。【了】
『上様』という宛書の裏には架空の経費の引き落としという、悪質で計画的な脱税行為であるのは明白な事実である。領収書そのものが売買されたり、横流しされたり、脱税に使われているのだ。個人企業、中小企業、さらには大企業までが、『上様』という領収証のねつ造を行っているけれど、ほとんど野放図にされている。『上様』は殿様とならんで封建制度のもので、現代では死語だ。それなのに、領収書だけは堂々とまかり通っている。断固、斬り捨てるべきだ。
確定申告のシーズンが近づいてきた。国税庁長官の名で、全国に524ある税務署には『正式な企業名を書いていない領収証は認めない、不正とみなせよ』と通達を出すべきである。「あなたの会社は社名があるんでしょ。なぜ、企業名や商店名が書けないんですか」。税務官が通達を下に、片っ端から、一言を投げかけるだけでも、脱税への強い抑止力になる。
もうひとつの元凶は『品代』である。PJが聞き取り調査した渋谷区の某スーパーでは、品名が正確に書かれた領収書は18%だった。82%の領収書が『品代』である。全国的にほぼ同率だろうと推量できる。
『品代』の内訳は何か。婦人用の高級下着が機械製作会社の事務経費になったり、生鮮食品が商事会社の消耗品になったり、子ども玩具が工務店の備品になったり、『品代』という名を借りた悪質な脱税行為につながっているのだ。許すべきではない。
最近のPOSレジ機は格段に機能が進み、客からの要望があれば、ボタン一つで領収書の表紙が発行される。しかし、多くの客は明細の添付を嫌うという。同スーパーで、複数のレジ担当者から聞き取りすると、領収書を必要とする客で、明細をつけるのは30人に1人くらい、という答えが返ってきた。『上様』と『品代』と書いて、認め印を捺す。その繰り返しだというのだ。「買った品物の明細を欲しがらないお客さんは、脱税するからでしょ。私の印鑑が悪用されているようで、いつも不快に感じてるの」。20代半ばのレジ担当の声は率直な気持ちだと思う。
全国には、法人が152万9616社ある(内閣府統計局、平成16年度調査資料)。不正を行わない厳格な企業も数多くある。乱暴ではあるが、この際はそれを棚上げし、単純推量で一社が1カ月1万円の領収書不正を行ったとすれば、1年間に1824億円、10年間で1兆8000億円に税率を掛けた分が脱税額となる。それだけ国家財政の収入減となるのである。
「1社の領収書不正使用が1カ月に1万円じゃすまないよ。ビック企業だってあるんだから、10万円は軽いよ」。となれば、10年間で18兆円の課税所得が失われたことになる。これは単なる数字の遊びだろうか。正確な数字は皆目わからないが、領収書のねつ造が財政赤字で苦しむ元凶のひとつになっていることは確かだ。
現代はPOSシステムが発達し、普及し、規模を問わず多くの店舗で導入されている。領収書には「レジ番号−領収書の発行連番−レシート・ナンバー」が記載されている。その番号で管理された売り上げ明細が、一年間以上にわたり、コンピュータによって保管されているのだ。いつでも引き出せる。
「この領収書の品代は不明瞭ですね。領収書の番号で追跡調査しますよ」。国税局や税務署が行動を起こせば、品名、数量、金額が明瞭にわかる。ねつ造領収書と見破れば、それが証拠物件になる。追徴課税すればいい。国税庁は国家の厳しい台所を考えれば、ためらう必要などない。『上様』『品代』と記載された領収書は脱税の元凶だ、と厳しい目を向け、全面排除へと向かうべきだ。
耐震構造計算をねつ造した一級建築士がいた。それをチェックする機関が機能しなかったから、真新しいマンションやビジネスホテルの取り壊しがはじまった。領収書ねつ造問題も同様である。『上様』『品代』が野放しで、国税局や税務署のチェック機能が働かなければ、国家の土台が大きく傾くことは必然だ。それがサラリーマンの税の不公平感、社会保障制度への不信感、さらには若者を中心とした国民保険の未払い増加というさらなる悪循環に結びついていく。国税庁はそうした危機意識をもつべきだ。
確定申告の時期だ。キャンペンガールを使った納税義務を促す、従来型ポスターから脱却するべきだ。『領収証ねつ造は重大な犯罪です、国を滅ぼします』。国税庁は、麻薬撲滅運動と同じように、領収書の宛名『上様』と明細『品代』はやらない、やらせない、というポスター作戦をくりひろげるべきだ。それが税の公平さを保ち、国家赤字の危機を回避する原点になる。【了】
※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。
パブリック・ジャーナリスト 穂高 健一
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