【チュニス=松本眞志】イスラエル建国によって土地を失ったパレスチナ難民の帰還権やパレスチナ・ガザ地区の経済封鎖解除を求める抗議行動「帰還の大行進」が30日で1年を迎えました。ロイター通信によると雨が降る中、イスラエルとの境界付近に住民4万人以上が集結しました。

 デモを組織したのは、ガザ地区を実効支配するイスラム抵抗組織ハマスと「民族委員会」で、抗議行動を盛り上げるために大学、学校の休校や商店の閉鎖などを呼びかけました。デモ参加者は境界のフェンス越しに対峙(たいじ)するイスラエル軍の戦車や兵士に投石。イスラエル軍も催涙弾や実弾で応戦しました。

 パレスチナのマアン通信は、ガザ地区の保健省の情報として、イスラエル軍の発砲で17歳の少年を含む2人が犠牲となり、207人が負傷したと報じました。また、イスラエル軍兵士1人もパレスチナ武装組織の銃撃によって死亡しました。

 この大行進は、昨年の3月30日から毎週金曜を中心に実施されています。この日は、1976年にイスラエル軍がパレスチナ住民の土地を奪い、それに抗議した6人を射殺したことにちなんだ「土地の日」でもあります。前年の抗議行動以後、パレスチナ人犠牲者は250人以上を数え、イスラエル軍側も兵士2人が死亡したとされます。

 ガザ地区ではこの間、イスラエルに対してだけでなくハマスへの批判の声も上がっています。マアン通信は3月中旬にガザ地区住民数百人が税金の引き下げや生活・経済の改善を求めて抗議行動をしたと報じています。ハマス側はこれを阻止し、逮捕者も出る事態に。人権団体はハマスの強圧的手法を批判しています。