ファンキー通信で取り上げたくなるような面白いニュースはないかと、日夜、情報収集に励んでいるのですが、先日こんな記事を発見しました。昨年末の全国紙に掲載された記事です。タイトルは「反日感情緩和にアニメやヒット曲 外務省が対中広報強化」。

 記事によると、靖国参拝問題などによって悪化している日中関係を改善するために、外務省が対中広報活動を強化するとか。その方法がユニークで、中国でも人気の日本のアニメやヒット曲を地方テレビ局で放映してもらい、イメージアップを図るとありました。しかも、アニメ放映を対象にした予算まで組まれる見込みだとか。

 いわば外務省が日本の誇る“萌え”を中国に輸出し、反日感情を和らげようというわけなのです。う〜ん、これは非常に気になります。というわけで早速、外務省に問い合わせてみることに。

 「そのような事実はありません。憶測で書かれているのではないでしょうか?」

 えっ!! でも、新聞にはそう書いてありましたよ!? 06年度予算に、対中広報費が前年比11.6億円増の31.1億円が盛り込まれる見込み、などと具体的な数字まで載っていたので、推測とは思えないんですけど・・・。

 「まず予算というのは、地域ごとに組まれているわけではありません。したがって対中広報費というのは存在しないのです。外務省が主体となって、中国で日本のアニメを放映する予定もありません。そのようなことは一般企業がビジネスとしてすべきことなのではないでしょうか?」

 確かにアニメを放映したいなら、権利を持っている企業がビジネスとしてすればいいこと。わざわざ外務省が間に立つ意味がないような気がする。う〜ん、やっぱり憶測なんでしょうか?

 ただ、外務省が対中政策を重視しているのは、事実のよう。その一例としては、外務省ホームページの中国語版なども充実させていく方針なんだとか。そうすれば小泉首相がなぜ靖国神社に参拝するのか、正確な情報を伝えることができると考えているわけです。記事の真偽はともかく、今年も対中国の外交政策から目が離せないことだけは確かなようですよ。(梅中伸介/verb)