打ち上げられたクジラの死骸(画像は『台湾英文新聞 2019年3月20日付「海廢問題危及動物存續 擱淺花東的柯氏喙鯨一屍兩命」(照片由海洋保育署提供)』のスクリーンショット)

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台湾・花蓮県にある立霧渓の河口に位置する海岸で15日、打ち上げられたクジラの死骸が発見された。海洋委員会海洋保育署と中華鯨豚協会が調べたところ、胃の中から麻袋やビニール袋、プラスチックゴミが見つかった。また、クジラは妊娠中でお腹の中から全長165センチの胎児の死骸も見つかっている。『蘋果日報』『聯合新聞網』『台湾英文新聞』などが報じた。

打ち上げられたクジラは「アカボウクジラ」。フィリピンの海岸で16日、胃に40キロものプラスチックゴミが溜まって餓死したクジラが発見されたが、それと同種という。台湾東部の海岸ではここ1週間ほどでイルカやクジラの死骸が打ち上げられるケースが相次いでおり、13日に花蓮県の海岸でマダライルカ、15日にアカボウクジラの死骸が見つかったほか、同じく15日夜には台東県の海岸でハナゴンドウの死骸も発見されている。

海洋保育署の発表によれば、15日に発見されたアカボウクジラは全長565センチ。体の表面数か所にサメに咬まれた痕があった。体内からはビニール袋6枚以上、麻袋4枚のほか、いくつものプラスチックゴミや釣り糸などが見つかったそうだ。胃の中には未消化の食べ物が残っていたことから、まだ餌を食べることはできていたと考えられ、調査チームでは直接的な死因について調べを進めるとしている。

海洋保育署は、台湾やフィリピンの例を見ても海洋ゴミが海洋生物にもたらす脅威は甚大であるとして、人々に未来の海のためプラスチック削減の意識を持つよう呼びかけた。

画像は『台湾英文新聞 2019年3月20日付「海廢問題危及動物存續 擱淺花東的柯氏喙鯨一屍兩命」(照片由海洋保育署提供)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 片倉愛)