日本人は欧米人と比べて口臭に関する意識が高くないようです。口内を清潔に保つための3つの習慣を紹介(写真:KEN226/iStock)

みなさんは「Class Act」という言葉をご存じでしょうか。傑出している人や洗練された立ち居振る舞いができる人のことを意味します。周囲の人から「際立っている」「突出している」と思われるかどうかは、出会ってからわずか数秒間で決まってしまいます。したがって、あなたがこの「一瞬の勝負」に勝つためには、普段から自分の見た目を最善の状態に維持しておく必要があります。
今回は拙著『Class Act(クラス・アクト)世界のビジネスエリートが必ず身につける「見た目」の教養』より、日本人が見逃しがちな「口臭」について取り上げます。

女性は男性よりニオイに敏感

日本を訪れた多くの外国人が驚くことは、日本人の口臭だといいます。空港での入国審査のスタッフ、タクシーの運転手、公共機関で乗り合わせた人々。なんと72%もの外国人が「日本人の口臭が気になった経験がある」と回答しています。

日本人は体臭がきつくないため、口臭もひどくないと思っているかもしれませんが、マウスケアに対する意識はそれほど高いとはいえません。「毎朝、しっかり歯を磨いているから大丈夫」ではありません。なぜなら、口臭は自分では自覚できていないことが多いからです。嗅覚には順化システムというものがあり、最初は気になっていた自分の口臭も、時間の経過とともにニオイに慣れ、次第に気にならなくなってしまうのです。

パナソニックが行った調査では、7割を超えるビジネスパーソンが、ビジネスシーンで「他人の口臭が気になったことがある」と回答しています。

特に女性は男性よりもニオイに敏感で、女性の2人に1人以上が、口臭が原因で「仕入れ先との取引をやめた」「担当者が変わるまで面談を控えた」と回答しています(江崎グリコが20〜50代の男女の就業者計824人を対象に実施した、『ビジネスシーンにおける口臭ケアについての調査』)。

欧米人のほうが体臭や口臭が強いと思っている人は多いようですが、アメリカのエグゼクティブ層の人たちの中で、口のニオイが気になるという人は滅多にいません。口が臭いというだけで、ビジネスパーソンとしては「失格」の烙印を押されてしまうからです。

日本人の口臭に関する意識は諸外国の人々と比べて高いとはいえず、口臭に関してはいますぐに意識を変えるべきだと思います。

というのも、私たちは、ある人と取引をすべきかどうかを決める際に、その人の肩書や実績、利害関係なども考慮しますが、その判断に最も大きく影響するのは、実は五感を通して得た情報です。

私たちは視界に入った人物に対して、即座に、かつ自動的に直感を働かせます。相手の表情や姿勢、仕草、そしてニオイなどから、「自分にとって不快な人か、心地よい人か」を瞬時に判断するのです。この直感で下された判断は、その後のコミュニケーションに大きな影響を与えるといわれています。

不潔な人は精神的、肉体的な問題を想像させてしまう

つまり、ある人に対し、初対面で異常シグナルを感知してしまうと、その後、どれだけ表面上は平静を装っていても、その人に対しては、脳の中で自己防衛センサーが働き続けるのです。特にニオイは、感情や本能を支配する大脳辺縁系に直接届いて、本能的な感情をもたらしているといわれており、その人のニオイによってネガティブなイメージが生まれてしまったら、それを覆すのは至難の業となります。

私たちがなぜニオイを判断の拠り所にするかというと、ニオイが、精神や身体のコンディションと直結するからです。

ニオイも肌もその人の健康状態を表しています。それらが清潔なら問題ありませんが、不潔な人は、精神的、肉体的に何かしらの問題を想像させるので、私たちは本能的に避ける傾向があるということなのでしょう。

では、「自分は息が臭いかもしれない」と思ったら、どうすればいいでしょうか。口臭対策はその要因によって対策が異なります。口臭の原因は主に次の3つです。

\戸的口臭(口の中の細菌が原因)
飲食由来による口臭(ニンニクやニラ、ネギ、お酒、コーヒーなど。たばこも含む)
I妥口臭(虫歯、歯周病、歯槽膿漏、便秘、下痢など)

日本人の場合、の病的口臭が原因の人が多く、35歳以上の8割が歯周病にかかっている、といわれています。これは日頃のマウスケアを怠っていることが原因ですから、思い当たる方はご注意ください。

本記事では,寮戸的口臭と、△琉食由来による口臭の予防方法を紹介しましょう。

あなたは普段、食事の後にどのようなケアを行っていますか? 昼食時に日本のビジネス街に行くと、焼肉や生姜焼き定食などを食べているビジネスパーソンの姿をよく目にします。せっかくのランチですから、好きなものを食べていいのですが、問題は、食事が終わってから「何もしていない」方が多いことです。

そうなれば当然、△琉食由来による口臭を引き起こします。ニオイが強く、味の濃い食べ物を口にした後は特に、周囲に異臭を振りまいていると思ったほうがいいでしょう。

ミントタブレットの効果は限定的

歯磨きをせずに、ミントタブレットを口に放り込むだけという人も少なくないようですが、これも問題です。あまり知られていませんが、ミントタブレットの持続効果は一時的で、根本的な解決にはなりません。逆にミントを食べると、一時的に口の中の唾液の量が減って口が乾くため、口臭が強まる可能性があります。

歯や歯茎に隙間があると、その隙間に食べ残しが入り込み、細菌が繁殖しやすい環境となります。細菌が繁殖すればニオイを発生するために、口臭がさらにひどくなります。これが、,寮戸的口臭(口の中の細菌が原因)の状態です。

そこで口内を清潔に保つために、最低限、次の3つだけは、習慣化しましょう。

食後の歯磨きを欠かさない

歯ブラシを使用している方は、できたら電動歯ブラシを使ってみましょう。歯石や食べ残しの取れる量がまったく違います。最近では、持ち運びに便利なペン型の電動歯ブラシも増えているので、外出先でも気軽に使えます。

歯磨き後に、デンタルフロスを使う

歯ブラシで落ちる汚れはたった6割といわれています。そこでデンタルフロスを使い、歯の隙間に挟まった食べ残しをきれいに除去しましょう。歯ブラシだけでは磨き残しが多いことを実感できるはずです。

さらにデンタルリンスや舌ブラシで口の中をクリアにすれば、食後のオーラルケアはバッチリです。手間がかかるように思われるかもしれませんが、慣れて手際よくやれば、この工程はたった1分で終わります。

毎日、1.5ℓから2ℓの水分を摂るようにして、口内を乾かさない


最後に、口内乾燥対策です。毎日、1.5ℓから2ℓの水分を摂るようにして、口内を乾かさないようにしましょう。人前に立って話したり、商談をするときなどは、緊張感で口が乾きます。口内の乾きは口臭の原因になりますから、普段から水分を多めに摂って、口内に潤いを保ちましょう。

また、口呼吸も口の中を乾燥させます。口元が開きがちな人は、口周りの筋肉を鍛えましょう。唾液には、口内の浄化や抗菌をする作用があります。唾液がしっかりと出るよう、無糖のガムを頻繁にかんだり、唾液腺をマッサージしたりするのも効果的です。

ここで述べた3つのポイントは、口内を清潔な状態に保つための最低条件です。さらに、歯科医で本格的なデンタルケアを、定期的に施してもらうことが必要ですが、まずは、どこでも実践できるオーラルケアとして、この3つを習慣化することから始めてみましょう。