フランス車は独特なデザインと乗り味は魅力的だが、運転支援システムが物足りない……。従来はそんな声が多く聞かれましたが、そんな声を吹き飛ばすモデルが、2019年3月20日に発表された新型プジョー508です。

発表会には日本法人の社長をはじめ、フランスからプジョーブランドのジャン=フィリップ・アンパラトCEOが駆けつけるなど、並々ならぬ意気込みを感じました。

2011年に日本市場に導入された初代508は、従来ラインアップされていたセダンとSWと呼ばれるステーションワゴンを設定していた407とフラッグシップセダンの607を統合したモデルで、セダンの508と508SWの2つのボディタイプを用意していました。

新型プジョー508も初代を受け継ぎ、まず508が登場。そして今年の秋に508SWが導入予定となっています。新型508は先代の4ドアセダンの3BOXスタイルから流麗なファストバックスタイルへとデザインが変更されています。そしてスタイリングだけでなく、インテリア、先進運転支援システム、乗り心地とすべて一新しているのが特徴です。

まずエクステリアデザイン。フロントエンドが非常に個性的で、切り立ったフロントグリルとフルLEDヘッドライトで構成されています。さらにバンパーとスポイラーを垂直に通るLEDデイタイムライニングライトとの相乗効果により、シャープな表情が特徴です。またボンネットに504、504クーペをインスパイアして、508のモデル名が配置されています。

そして大きく変更されファストバックとなったリアスタイルは、プジョーのシグネチャーであるライオンの三本の爪痕をモチーフとしたフルLEDのテールライトを採用。ラゲージスペースも5人乗車時で487L、リアシートをすべて倒せば先代より156L多い1537Lまで拡大し、ファストバックのメリットを活かしています。

インテリアはプジョー独自のi-Cockpitをさらに進化させるとともに、革新のユーザーインターフェイスを搭載しました。コンパクトなステアリングの奥のコクピットには12.3インチのデジタルディスプレイを装備。このディスプレイは6種類のモードから、オーナーの好みに応じてカスタマイズが可能です。

そして、センターコンソールの中央には8インチのタッチスクリーンを配置。インテリのデザインに溶け込み、ディスプレイ下に配置されるピアノの鍵盤のようなトグルスイッチでナビゲーションや空調、オーディオなどの主要機能にダイレクトにアクセス可能で、タッチスクリーンによる操作とわけられています。

搭載されているエンジンはアリュールとGT Lineには最高出力180ps、最大トルク250Nmを発生する1.6L直列4気筒ガソリンターボエンジン。そして最上級グレードのGTには最高出力177ps、最大トルク400Nmを発生する2L直列4気筒ディーゼルターボエンジンを搭載。組み合わされるミッションは8速ATで駆動方式はFFのみとなっています。

新型508は全グレードにプジョー初の電子制御アクティブサスペンションを搭載。このシステムは走行状態や路面状況に応じて、ダンパーの減衰力をリアルタイムで制御しノーマル、エコ、コンフォート、スポーツの4つのドライビングモードと連動し、ドライバーの好みにあわせて選ぶことができます。

新型508の特徴の一つとして充実した先進運転支援機能が上げられます。高速道路などの追従走行で便利なストップ&ゴー機能付きアクティブクルーズコントロールやレーンキープアシストをはじめ、プジョー初のレーンポジショニングアシストや第2世代へと進化し、夜間でも歩行者や二輪車を検知可能なアクティブセーフティブレーキ、インテリジェントハイビームなどを標準装備。さらにオプションで、ナイトビジョンを設定し、赤外線カメラで撮影した歩行者や野生動物の映像をインパネに投影し、ドライバーに注意を促します。

 

スタイル、走行性能、安全性、すべて一新したプジョー508。車両本体価格はエントリーモデルのアリュールが417万円、GT Lineが459万円、GTが492万円となっています。欧州車が圧倒的に強いDセグメントセダンに新しい魅力をもつクルマが登場しました。

(萩原文博)

新型プジョー・508が登場! 最新のデザインとネコ足、そして運転支援システムを採用(http://clicccar.com/2019/03/21/723922/)