3月20日、都内にて映画『麻雀放浪記2020』の完成披露舞台挨拶が行われ、斎藤工、もも(チャラン・ポ・ランタン)、ベッキー、竹中直人、白石和彌監督が登壇。ベッキーがこだわり抜いたシーンについて語った。

 主人公・坊や哲を演じた斎藤工は映画の感想について聞かれると「ピータンをはじめて食べたときのような。(本作は試写を行っていないため)何を見たのかもう一度確かめたいという気持ちで(公開日である)4月5日を待っています」とコメント。映画の仕上がりについても「見たことない映画になったなと思ってますし、白石作品としてもすごい扉を、日本映画の扉を開けたなと思っております」と自信をのぞかせた。

  麻雀クラブのママ・八代ゆきと、AI搭載のアンドロイド・ユキの二役を演じたベッキー。和田誠監督の『麻雀放浪記』(1984年)では、加賀まりこが八代ゆきを演じており、今回はその加賀をオマージュしたシーンが撮影されたという。それは加賀が“元禄積み”というイカサマを行うシーン。そこはワンカットで撮影されており、白監督も同シーンをワンカットで撮ることを熱望したという

「同じ“元禄積み”のイカサマをやる姿をワンカットで撮りたいと監督に言われました。すごく難しいんですよ!それをもう1ヶ月毎日特訓しました!ベッドの横に雀卓を作って。朝起きたら技、仕事行って帰ってきて技、寝る前技みたいな生活を続けました。それでなんとかワンカットで撮っていただきました」(ベッキー)

 ベッキーのこのシーンに対する情熱は日に日に強まっていたようで、白石監督も「本番のときも、3回目くらいでまあうまくいったかなと思ってOK出したんですけど、(ベッキーから)『もう1回やらせてください、納得がいきません』と言われ、14回くらいやりました」と振り返る。ベッキーは「大迷惑だったと思いましたけど、1ヶ月半練習したからもっとできる!という思いがあった」と当時の心境を語り、斎藤は「使用したのはベッキーさんが撮り直させたとところでしたね」とニヤリ。白石監督と斎藤は「僕のOK・NG関係なく、ベッキーさんのOK使わせていただきました」「ベッキーさんディレクション」と笑いあい、ベッキーは「やりがいがありました。一人隠し芸大会って感じでした」と充実の日々に思いを馳せていた。

 一方、芸能プロの社長・クソ丸役を演じた竹中は実は麻雀が苦手だと告白。「昔『岸和田少年愚連隊』という作品で、麻雀できるオヤジの役だったんですけど、『リーチ!』って言うのが恥ずかしくて。今回も麻雀牌をいじるのが難しくて。ひっくり返すやつ!プロみたいな役なのに、恥ずかしかったんだけど、監督の優しい眼差しで、なんとか集中できてよかったと思います」と意外な撮影裏を語っていた。

テキスト:堤茜子

写真:You Ishii