地元メディアは容疑者が逮捕される様子を写真つきで伝えた

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国外で日本人旅行者がタクシーを襲い、運転手を刺殺するという前代未聞の事件が起きた。

事件が起きたのはカンボジアのシェムリアップ。日本人観光客にも人気の世界遺産、アンコール・ワットがある都市で、日本人がオーナーのサッカーチームもある。地元メディアが公開した容疑者の画像には、日本人が書き込んだとみられる謝罪のコメントが相次ぎ、遺族に寄付しようという動きも広がっている。

タクシー盗むも直後に事故→逃走→逮捕

地元警察に逮捕されたのは、中茎竜二容疑者(23)と石田礼門容疑者(23)。現地英字紙のプノンペン・ポストによると、両容疑者は2019年3月17日夜、タイとの国境地帯にあるバンテイメンチェイ州でタクシーを盗もうとしていたが、カメラがついていたため断念。別のタクシーを拾ってシェムリアップに移動中に運転手の男性(40)を刺殺し、遺体を道路に投げ捨てて逃走を図った疑いがもたれている。直後にタクシーはトラクターに衝突して動けなくなり、2キロほど走って逃走したところで逮捕された。被害者には子どもが4人いたという。

同紙が地元当局者の話として伝えたところによると、両容疑者には銀行に400〜500万円の借金があり、借金返済のために犯行に及んだ、などと話しているという。両容疑者は3月16日にタイから陸路で入国。 犯行目的で日本でナイフを2本購入し、カンボジア国内に持ち込んでいたという。

遺族への寄付の動きも

地元メディアは、血に染まった犯行現場や、両容疑者のパスポートの写真、上半身裸で取り調べを受ける両容疑者の様子を写真つきで報じている。ユーチューブに公開されている取り調べの様子とみられる動画には、

「私は日本人です。彼らを死刑にしてください」
カンボジアの皆さんに謝りたい」
「日本人のクズは好きなようにしてください」

といったコメントが英語で書きこまれている。

シェムリアップに本拠地を置くサッカークラブ「アンコールタイガーFC」の加藤明拓オーナーは、事件後にカンボジア人から「日本人がそんなことするなんて信じられない、何度も言われた」ことをツイッターで明かした。加藤氏は遺族に1000ドルを寄付することを決めており、カンボジアリーグの日本人選手も寄付の意向を示しているという。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)