お弁当とペットボトルがぴったりおさまるローソンのエコバッグ

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 国の中央環境審議会の小委員会は、小売店でのレジ袋有料化を義務付ける方針を盛り込んだ「プラスチック資源循環戦略案」を了承した。2030年までに使い捨てプラスチック排出量を25%削減する目標を定めている。これまでもコンビニではエコバッグの配布など、レジ袋削減に取り組んだが定着は難しかった。有料化がレジ袋削減にどこまで効果があるのか注目される。(文=編集委員・丸山美和)

 小売業を対象に、レジ袋有料化の義務化に向け議論が進む。これまでもレジ袋対策として、ローソンは07年3月から一部店舗でエコバッグを無料配布した。現在は店頭端末「ロッピー」を通じて購入できる。賛同した他の企業なども作成、配布した結果、総配布枚数は約433万枚にのぼる。

 ただコンビニ全体では、依然としてレジ袋の利用は多い。元々、顧客がフラッと入店し、レジ袋に変わるエコバッグを持ち合わせていることが少ない。

 コンビニや外食企業などが加盟する日本フランチャイズチェーン協会は「レジ袋有料化はコンビニにはなじまないが、プラスチック使用量削減のためにはやらざるを得ない」と認識する。今回の小委員会の決定を受け、セブン―イレブン・ジャパンは「日本フランチャイズチェーン協会の方針に従い、レジ袋有料化も検討している」、ローソンも「義務化の際には法律に基づいて実施する」という。

 一方、同じ小売業でもスーパーはコンビニに先行して有料にした事例が多い。イオングループのスーパー、カスミ(茨城県つくば市)は1日から187店舗中181店でレジ袋を1枚5円で販売する。すでに有料化済み店舗におけるレジ袋辞退率は84%に上るという。

 イオンは13年から全国の総合スーパー(GMS)でレジ袋の無料配布を止め、スーパーマーケット(SM)は6割の店舗で中止している。有料ゴミ袋の売上金は各地の自治体に寄付し、環境関連の事業に使われている。

 プラゴミ削減はレジ袋だけで達成できるものではないが、なかなか進まなかったレジ袋の使用量が削減されれば、飲食品のプラ容器などの削減を加速する一因になるはずだ。