宝塚歌劇団が開設した特設サイトが話題になっている。「ひとりでも、みんなとでも…この春始めたい『推し活』!」というタイトルで、宝塚歌劇団の観劇を薦めるものだ。情報商材サイトのような作りになっていて、「『推し活』の中でも、オトナ女子にぴったりなのは、演劇やミュージカルなど生の舞台を観に行けるもの」として、

「その中でも、特にオトナ女子に体験してもらいたいのが『宝塚歌劇』。文化的な知識を深められるのはもちろん、劇場に足を運ぶと非日常感たっぷりの雰囲気を楽しめます。そして舞台では、まばゆく輝くスターに心揺さぶられ、きっと応援したくなる誰かを見つけられるはず!」

と訴えかけていた。

「ご贔屓」を「推し」と言い換えることに疑問「宝塚のいい所がほぼ伝わらない」


サイトではこのほか、「推し活タカラヅカの始め方」として、観劇当日の流れや、『ロミオとジュリエット』のロミオ、『ベルサイユのばら』のオスカルなど、代表的な作品の主要キャラクターの「推せる」ポイントを解説している。

劇団のファンが初めて観劇した際の感想やエピソオードも紹介されている。ページ下部には、現在公演中の月組公演の紹介や、105期生のお披露目公演となる次回公演の情報が記載されていた。

宝塚歌劇は、「清く 正しく 美しく」のモットーや音楽学校の礼節の厳しさなどから、他の劇団や歌劇団とは一線を画する、格調の高さが魅力の1つとなっている。ある面では古風なイメージもあっただけに、公式が「推し」という言葉を使うことに驚く人も多い。

「偽物ではないか」「悪戯だと思う」と疑う声も出るほどだが、特設サイトの証明書を確認すると、発行先は「kageki.hankyu.co.jp」となっている。宝塚歌劇団が作成した物のようだ。

サイト内の「『宝塚』は敷居が高い…!?いいえ、そんなことありません!」などの文言から察するに、宝塚歌劇を気軽に楽しんでほしいという思いで作られたページのようだ。ただ、ファンの間からはサイトのトーンを受け入れがたく感じる人も多い。ツイッターには、

「宝塚のいい所は推しをご贔屓さんって呼ぶところだと勝手に思ってるから推し活よりも贔屓活のほうが宝塚感があっていいと思うな」
「なんだろうこの全体的に漂うコレじゃない感」
「推し活……?宝塚のいい所がほぼ伝わらない気がする。ご贔屓って言葉にどれほどの意味があるかちゃんと考えたのかしら」

などの反応が相次いでいる。