ライバルはスマートフォン? 3年ぶりの新「RICOH GR III」はフィールド撮影に最適/最強のカメラだ

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スマートフォンは、すっかりコンパクトデジタルカメラ(コンデジ)に取って代わったといってもよいでしょう。以前であれば、コンデジで写真を撮っていた街中のスナップやイベント、夜景などのシーンも、今ではスマートフォンのカメラだけで完結できています。

スマートフォンカメラのニーズが増えた分、性能面も年々向上しており、より便利で高画質な写真が撮影可能となっています。
特にソーシャルメディアの普及は、スマートフォンでの撮影後、すぐに写真を共有できるため、写真を自分で記録する情報から、他人とコミュニケーションする情報へと進化させつつあります。

すっかりスマートフォンに役割を奪われてしまったコンデジですが、厳しいサバイバルを生き残ったコンデジ製品には、スマートフォンに劣らない存在価値を放つ製品も登場しています。

カメラ専用機でしか実現できない高画質な写真や、レンズ交換システムによるハイグレードな作品作りなど、スマートフォン時代だからこそ、輝く個性と品質があります。
特に写真の品質にこだわりのあるユーザーにとって、現在のコンデジは写真撮影に必要な機器ともなっています。

・手軽なスマートフォンのカメラ機能
・高画質で高級なデジタルカメラ
このように現在のカメラや写真のニーズは二極化しています。

3年ぶりに新機種「RICOH GR III」が3月15日に発売されたリコーGRシリーズも、スマートフォンに劣らない魅力を持つカメラと言えます。


「RICOH GR III」(CP+2019にて)



「RICOH GR III」の背面(CP+2019にて)


GRシリーズは、フィルムカメラ時代から続いている人気ブランドです。
コンパクトながらも高画質で深みのある絵作りで、スナップ作品やサブカメラに最適と評価され続けてきた機種です。
ユーザーも、プロからハイアマチュアまで広く、スナップ写真で愛用されているシリーズとなっています。


歴代のGRシリーズ(CP+2019にて)


今回の「RICOH GR III」は、
ミラーレス一眼に採用されている大きなセンサーサイズAPS-C搭載、手振れ補正機能を内蔵、高ISO感度での撮影、ハイブリッドAFなど、機能や性能、画質で高いポテンシャルを実現しています。
さらに、カメラのサイズも、以前の人気シリーズGR DIGITAL IV(1/1.7型イメージセンサー搭載モデル)と並ぶサイズとなり、小型化を実現したことで、さらに評価が高くなっています。


「RICOH GR III」の作例


高性能なカメラである「RICOH GR III」は、高級コンデジ市場で人気機種となることは間違いないでしょう。

ですが、それ以上に期待されるのが、スマートフォン内蔵カメラに奪われた従来のコンパクトデジタルカメラ市場への訴求でしょうか。

画質や機能はミラーレス一眼に肩を並べ、従来のコンデジほどコンパクトになったサイズ感は、日常のスナップ撮影でさらに使いやすくなりました。

スマートフォンの手軽さに加え、より高画質な写真も撮りたいスマートフォンカメラユーザーにも十二分にアピールできる力があります。

スマートフォンでは撮れない写真を、スマートフォン並みの手軽さで撮影できる。
この認識と理解が広く浸透すれば、スマートフォンで写真に興味を持った新しいユーザーにも魅力的に映り、GR IIIへの関心が高まる可能性があります。

画質と機能、それでコンパクトな本体サイズのGRIIIは、高性能カメラというアピールに留まらずに、手軽にハイグレードな写真を撮れる満足度できるカメラ「RICOH GR III」という魅力を訴求して欲しいです。


執筆 伊藤浩一