英国の欧州連合(EU)離脱をめぐり、外国為替市場で英ポンドが乱高下を繰り返している。

 離脱までの期間が長引く可能性が出てきた一方、「合意なき離脱」の可能性も残ったままだ。先行きが読めない中、短期の売買を繰り返す投機の材料にされている。

 英議会は14日、条件付きで離脱延期をEUに求める動議を賛成多数で可決。15日の東京市場で、ポンドは円やドルに対して下落した。午後5時現在は1ポンド=147円台半ばで推移。市場では「離脱延期」を事前に織り込んでいたため、利益確定売りに押された。

 英議会は14日まで3日連続で離脱に絡む採決を実施。ポンドは離脱延期期待が高まると買われ、採決結果を受けて売られるという動きを繰り返した。今後は20日までに離脱協定案が承認されれば、離脱期限は6月末まで延び、否決されれば場合によってはEU残留が長引く可能性もある。

 クレディ・アグリコル銀行の斎藤裕司外国為替部長は「いったんはリスクが先送りされ、ポンドの買い戻しにつながる。ただ、その先も総選挙や国民投票などのシナリオが考えられ、ポンドは当面、投機対象になりやすい」と指摘する。

 外国為替証拠金取引(FX)でもポンドは人気だ。金融先物取引業協会によると、2月のポンド・円の取引金額は約35兆円とドル・円に次いで多かった。外為どっとコム総合研究所の神田卓也調査部長は「ポンド・円は値幅が大きく、一部の個人投資家が好んで取引している」と話した。