訪問国数118カ国、海外渡航歴200回以上のトラべルジャーナリスト、橋賀秀紀さんが海外旅行先で美味しいお店に出会える、とっておきの情報源を大公開! 3回に分けてお届けします。

失敗できない旅先での店選び
見るべき厳選サイトはこれ!

 海外に行けば美味しいものが食べたい。旅行者のほとんどがそう考えているのではないでしょうか。では美味しい店はどうやって探せばよいのでしょうか。

 『孤独のグルメ』の主人公よろしく、出会いがしらに名店にぶつかるストーリーは美しい。ですが、実際のところは事前の情報戦でほとんど勝負が決まるというのが悲しいかな現実といえます。

ミシュラン社のサイト「ヴィアミシュラン」。

 長期間その国で生活するならともかく、短期旅行者の場合、次いつ行けるかわからないことも多いでしょうから一食一食が賭け。そこで、本当に「美味しい」店を探すためにどのように情報収集をすればよいのか、媒体ごとに仕分けをしてみました。

国際的レストランガイドの
評価やランキングを参考にする

 レストランの評価といえばミシュランの「赤本」を外すわけにはいかないでしょう。

 一般的にやや保守的な傾向があるといわれるものの、ミシュランに掲載されている店はやはり一定の水準には達しているといえるでしょう。

 ミシュラン社のサイト、「ヴィアミシュラン」では、フランスはもちろんヨーロッパ各国、アメリカやアジアの主要都市(日本は対象外)について、「赤本」に掲載された店の情報が一部無料で公開されています。

2019年のミシュランで2ツ星に昇格したデンマーク、フェロー諸島のKOKS。アペリティフをこの納屋で楽しんだあと、レストランの4WDでダート道を向かう。その体験そのものがレストランの一部となっている。

◆ヴィアミシュラン
(ViaMichelin)

https://www.viamichelin.com/web/Restaurants

トップページの左にあるFind a restaurant from the Michelin Guideの直下のボックスに都市名やレストラン名を入れて検索します。都市名が表示された後、SORT BY & REFINEをクリックすることにより、3ツ星のレストランだけに絞り込むことなどもできます。

ミシュランよりも今どき感が強い
「世界のベストレストラン50」

「世界のベストレストラン50」。

 どちらかといえば保守的なミシュランに対してイマドキ感が強いのが評価サイト「世界のベストレストラン50」です。

2018年の世界のベストレストラン50で世界一となったモデナのオステリア・フランチェスカーナ。ミシュラン3ツ星でイタリアのガンベロ・ロッソでもほぼ最高に近い評価を得ている。

 このサイトは2002年以降、毎年批評家や料理人の投票により、世界のレストランの格付け(上位100位)を行ってきました。

 スペインのカタルーニャにあった伝説的レストラン、エルブジやデンマークのノーマなど、このランキングで世界一になり、料理の世界に新たな潮流をつくりだした店も少なくありません。

これまで何度も世界一に輝いたノーマは2018年から場所を移転。シーズンごとに決まったジャンルの食材のみを提供するスタイルに。ガストロノミーの最前線は変化が速い。

 ちなみに2018年の世界一はイタリアのモデナにあるオステリア・フランチェスカーナでした。

 近年はミシュランの3ツ星を獲得するよりも、ベストレストラン50の上位にランクされることをめざす料理人も現れるようになっています。

オステリア・フランチェスカーナの有名なデザート「ブロークンタルト」は、日本人のスーシェフの紺藤氏があやまって床にタルトを落としてしまったことに着想を得てシェフのマッシモ・ボットゥーラが作り出した。

2018年に世界6位となったリマのセントラルのシェフ、ヴィルジリオ・マルティネスが2018年にアンデス山麓にオープンしたMIL。すり鉢状の端の右側手前に見える建物がレストランだ。周囲には人家もないが、世界中から客が訪れる。

◆世界のベストレストラン50
(The World's 50 Best Restaurants)

http://www.theworlds50best.com/

パソコンの場合はトップページのLISTにカーソルを持っていくとランキングが見られます。なお、「アジアのベストレストラン50」(2018年の1位はバンコクの「Gaggan」)や「ラテンアメリカのベストレストラン50」も参考になります。お酒好きには「世界のベストバー50」も。

・アジアのベストレストラン50
http://www.theworlds50best.com/asia/en/asias-50-best-restaurants.html

・ラテンアメリカのベストレストラン50
http://www.theworlds50best.com/latinamerica/en/the-list.html

・世界のベストバー50
http://www.worlds50bestbars.com/

その他のおすすめ
国際的レストランガイド

使える穴場サイト「ラ・リスト」。

 このほかに、フランス外務・国際開発省の後援を受けた「ラ・リスト」やアメリカのフーディーが立ち上げた「オーエーディー」などのランキングもあります。

「OAD」。

◆ラ・リスト
(La Liste)

https://www.laliste.com/ja/laliste/world

世界のトップ1,000軒のレストランを、ミシュランやグーグルレビュー、イェルプなどのレビューなどのスコアを独自のアルゴリズムに評価しランクづけをしています。

ちなみに2019年の世界一はパリのギ・サヴォワ。日本語で閲覧できるうえに、かなり「使える」にもかかわらず、あまり知られていない穴場サイト。スマホにアプリをダウンロードして閲覧することができます。

◆オーエーディー
(Opinionated About Dining)

http://www.opinionatedaboutdining.com/

世界中のレストランを食べ歩く、いわゆる「フーディー」たちを追ったドキュメンタリー映画「99分,世界美味めぐり」に登場したスティーブ・プロトニキ氏が主催するサイトによるランキング。

北米・ヨーロッパ・アジアについて、それぞれトップ200のレストランがランキングづけされています。また、日本のトップ200も2019年1月に発表されており、その1位は「鮨さいとう」でした。また、2018年秋には、主催者のプロトニキ氏をおさえて、浜田岳文氏が初めてレビュアーのランキングで1位となりました。

◆フォーブス・トラベルガイド
(Forbes TRAVEL GUIDE)

https://www.forbestravelguide.com/destinations-list

かつてアメリカ版ミシュランとして知られたモービルトラベルガイドは、現在、フォーブス・トラベルガイドという形で世界主要国のホテルとレストランの格付けを行っています。ホテル同様、レストランも最大5ツ星で評価されます。

◆ゴ・エ・ミヨ
(Gault&Millau)

https://www.gaultmillau.com/

フランスで1972年に誕生したグルメガイド。現在はヨーロッパのほか、日本、カナダ、オーストラリア、ロシア、イスラエル、ジョージアなどの主要都市で展開。最高点は20点。

◆ガヨ
(Gayot)

https://www.gayot.com/restaurants/reviews-dining-guide-destinations/

アメリカを中心に世界各国のレストラン評価を行っています。20点満点。

各国のレストランガイドや
グルメサイトを参考にする

イタリア版ミシュラン「ガンベロ・ロッソ」。

 「ヴィアミシュラン」や、「世界のベストレストラン50」といった“国際的”なガイドは地元の人の嗜好とはときとして乖離することもあります。

 そのため、それぞれの国のレストランガイドやグルメサイトの評価を重視する人もいます。

「ギア・レプソル」。

 たとえば、イタリアなら「ガンベロ・ロッソ」や「エスプレッソ」、スペインは「ギア・レプソル」といった具合です。これらは現地の大型書店にはあり、空港内の書店に置いてあることも。

 また、北欧のサイト「ホワイトガイド」も信頼できます。

「ホワイトガイド」。

◆ガンベロ・ロッソ
(Gambero Rosso)
※イタリア

https://www.gamberorosso.it/notizie/articoli-food/ristoranti-d-italia-2019-del-gambero-rosso-premi-e-classifiche/

イタリア版のミシュランとも称される存在。最高点は100点。そのうち90点以上の店には3本のフォークを意味するトレ・フォルケッテの称号が与えられます。2019年の最高点は96点のレアーレ(Reale)。アプリ版もあります。

◆エスプレッソ
(Guida Espresso)
※イタリア

https://www.repubblica.it/dossier/sapori/guide-espresso/

最高の評価が5カッペッロ(帽子)。ちなみにエスプレッソではランキングが表示されないので、州ごとの評価についてはサイト「Fine Dining Lovers」でご確認を。2019年の5カッペッロはイタリア全土で7軒。アプリ版もあります。

・ファインダイニングラバーズ
(Fine Dining Lovers)
※イタリア
https://www.finedininglovers.it/blog/news-tendenze/guida-ristoranti-espresso-2019/

◆ギア・レプソル
(Guía Repsol)
※スペイン

https://www.guiarepsol.com/es/soles-repsol/restaurantes/?supercategory_id=3&category_id=31&calification=1,2,3,R&page=1&doc_type=ficha

ミシュランの3ツ星にあたるのが3ソーレ(太陽)。ちなみにロ・メホール・デ・ラ・ガストロノミア(LO MEJOR DE LA GASTRONOMÍA)というガイドもありましたが、こちらは更新がとだえているようです。

◆ホワイトガイド
(White GUIDE)
※北欧・バルト3国

http://whiteguide-nordic.com/

設定上の最高点は100点。最新のガイドでの最高点はコペンハーゲンにあるゲラニウムの97点です。

◆グッドフード
(goodfood)
※オーストラリア

https://www.goodfood.com.au/eat-out/good-food-guides/good-food-guide-2019-full-list-of-hats-20181005-h16a3b

オーストラリアの主要都市のレストランをカバーしたレストランガイドで最高の評価は3ハットとなります。2019年は計7軒が3ハットを獲得しました。

橋賀秀紀(はしが ひでき)

トラべルジャーナリスト。筑波学院大学非常勤講師。東京都生まれ。著書は『エアライン戦争』(宝島社)など。訪問国数は118カ国。海外渡航歴は200回以上。

文=橋賀秀紀