次のターゲットは「朝鮮半島」(FDV/Wikimedia Commons)

写真拡大

〈日本株は7、8年保有してきたが、昨年秋に全て売った。株も通貨も、日本関連の資産は何も持っていない〉

 まるで日本はもうダメだと言わんばかりではないか。著名投資家のジム・ロジャーズ氏のインタビューを載せたのは、2月24日付の日経新聞だ。ロジャーズ氏と言えば、かつて、ジョージ・ソロス氏のパートナーとして名を馳せ、今はシンガポールに住みながら世界中に投資をしている。早くから中国市場の将来性に目をつけ、サブプライムショックの前にはいち早く株を処分するなど、先見性には定評がある人物だ。知人で国際ジャーナリストの大野和基氏によると、

「ロジャーズさんにサインを頼むと“BUY LOW SELL HIGH(安く買って高く売れ)”と書くほど、利益追求にはシビアな人です。彼が日本株を売ったのは昨年10月ごろ。かなり儲かったそうですよ」

次のターゲットは「朝鮮半島」(FDV/Wikimedia Commons)

 日本株を処分した理由も明快だ。

〈人口減少という構造的な経済減速の要因に加え、日銀が大量のお金を刷り続け、日本株や国債を買い支えているのも売りの理由だ〉

 さて、この言動を日本の専門家はどう見る。

「ロジャーズ氏の“日本売り”は正しいと思いますね」

 とは、ロータス投資研究所代表の中西文行氏である。

「アベノミクスによる景気対策が天井に来ているのは明白です。それでも株価が2万円台を保っているのは、約24兆円にのぼる日銀のETF買いがあるから。しかし、その買い支えも限界に来ている。先ごろ、ゴールドマン・サックス証券が“年内に1ドル=105円の円高になる”というレポートを発表していますが、そうなったら株価は大きく下がる可能性が高い」

 ロジャーズ氏によると、次の投資先として注目しているのは意外にも朝鮮半島だという。その理由は早晩、北朝鮮の門戸が開かれるから。他にジンバブエやガーナ株も買ったとか。

 素人が真似をしたら、火傷しそうな投資先ばかりである。

「週刊新潮」2019年3月7日号 掲載