季節の影響と言うけれど…(C)新華社/共同通信イメージズ

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 内閣府が7日に発表した1月の景気動向指数(速報値)は、衝撃的だった。アベノミクスの成果を強調するため、安倍政権は「戦後最長の景気拡大」と言い張ってきたが、景気の現状を示す一致指数は3カ月連続で減少。5年7カ月ぶりの低水準を記録した。それでも安倍政権は「景気は緩やかに回復している」と強弁しているのだから、救い難い。

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 内閣府は、1月の景気動向指数の基調判断について、昨年12月まで4カ月続いた「足踏み」から「下方への局面変化」に下方修正。この表現が使われるのは、消費増税の影響を受けた2014年11月以来だ。さすがの大新聞も8日は一斉に、「すでに景気後退入りか」と1面で報じた。

 それでも安倍政権はかたくなに「緩やかに回復している」の一点張り。非を認めない姿勢には閉口するが、何よりアキれてしまうのは、下方修正が「中国の春節(旧正月)による影響」だと言い訳していることだ。

■すでに昨秋から下落傾向が

 今年の春節休みは2月4〜10日まで。なぜ1月の指数に影響するのかチンプンカンプン。ところが、菅官房長官と茂木経済再生担当相に続き、麻生財務相もきのう、閣議後会見で、基調判断引き下げについて「中国の春節がいつもより早く、(対中)輸出が減少したことなどが影響している」と言い放った。各メディアも政権の主張に追随し、春節による中国の経済活動の一時停止が下方修正の要因と報じた。

 まるで「ぜーんぶ、アノ国のせいだ!」と言わんばかりの中国“主犯”説だが、なにも中国経済の停滞だけが下方修正の要因ではない。

「春節による対中輸出の落ち込みは、下方修正とは関係ありません。景気動向指数の先行指数を見ると、昨秋から落ち込む傾向を示していましたから。すでに、黄信号から赤信号に変わっていたのです。ところが、安倍政権は昨年相次いだ自然災害による『一時的な景気の落ち込み』と喧伝し、まともな経済対策を講じてこなかった。加えて、国内消費も弱まっているので、景気後退は当然です」(経済評論家・斎藤満氏)

 要するに、景気は昨秋から後退の気配を示していたのであり、今さら大騒ぎのメディアの目は節穴だ。ましてや「中国経済のせいだ」と強調するのはミスリード。

 シグマ・キャピタルのチーフエコノミスト、田代秀敏氏はこう指摘する。

「春節前に製造業など一部の分野で、駆け込みの輸出と輸入が発生しますが、これは暦から分かることなので、日本企業に大きな影響を与えません。それよりも、日本国内の深刻な人手不足で設備投資が進んでいないことの方が問題です。政府は有効求人倍率の上昇と失業率の低下をアベノミクスの成果として強調していますが、これらは主に人手不足によるもの。『景気は緩やかに回復している』という認識は、むなしすぎる強弁です」

 メディアが、ウソつき政権の戯言を垂れ流しているのもおかしい。

「今回の下方修正は、安倍政権が主張してきた『戦後最長の景気拡大』はデタラメであることを意味します。政権と一緒に国民をだましているメディアも罪深いですよ」(斎藤満氏)

 アベノミクスは、もはや成果の上がらない“マボロシノミクス”である。いい加減、国民をだまし続けるのはやめたらどうか。