登壇した宗野賢一監督

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 「劇場版コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命」での好演が注目を集めた山谷花純の主演作「フェイクプラスティックプラネット」が3月9日、北海道・夕張市で開催中の「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2019」のオフシアター・コンペティション部門でワールドプレミア上映され、メガホンをとった宗野賢一監督が舞台挨拶に出席した。

 2010年から現在まで、東映京都撮影所で「科捜研の女」「遺留捜査」「大岡越前」「刑事ゼロ」といった作品に助監督として参加してきた宗野監督によるサバイバルストーリー。主人公は、東京でネットカフェ暮らしをする25歳の貧困女子シホ(山谷)。街角で出会った占い師に「あんた、25年前にも来たね」と言われたことをきっかけに、彼女の“常識”が全て覆されていくさまを描く。

 オフシアター・コンペティション部門への参加は、16年の「数多の波に埋もれる声」に続き2度目となった宗野監督。前作から作風ががらりと変わった理由について「ハードボイルドなテイストに仕上がった『数多の波に埋もれる声』は男性向けの映画だったので、今回は幅広い層の方に楽しんでもらえる内容にしたかった」と説明。さらに「前回オフシアター・コンペティション部門で映画祭に来た時、他に選出された作品を色々見させていただいて刺激を受けました。その際に『新しい映画を作りたい』と思い、考えた企画です」と話していた。

 プログラミング・ディレクターの塩田時敏氏は「“自分探し”を題材にした作品の応募はかなりある。選考していて『またか…』という時があるんですが、(本作は)上手い具合にファンタ的なストーリーに落とし込んでいる」と評価。宗野監督は“シンクロニシティ”がキーとなっていく物語について「私生活で偶然が重なったことがあって、“偶然起こったことだけど必然に感じること”に興味を抱いたんです。例えば遠縁の親戚だと思っていた人が、実はすごく近い人と関係があったとか――全く関係ないように見えて、意外と関係性があった」「話が展開するに連れて、シホは信じていた“自分の存在”すら嘘に見えてくる。だからこそ、劇中に出てくる人物や物は、最初から“ニセモノ”に見せたかった。なので、冒頭には造花、フードサンプル、マネキンといった“リアル”じゃないものを映し出しました。目に見えるものが疑わしくなるような作品にしたかった」と語っていた。

 1人2役を演じている山谷との出会いは、5、6年前のこと。「山谷さんが16歳くらいの頃。撮影していたドラマに高校生役で来ていたんです。とてもお芝居がしっかりしていたという印象がずっと残っていました。本作の撮影をしたのは、彼女が20、21歳の頃。どれだけの存在になっているか見たかったんです」と明かした宗野監督。「成長していました?」と聞かれると「はい、思っていた以上に。芝居のプランは色々考えていたんですけど、1回リハーサルをやると、あとはあまり言うことがなくなる(笑)。台本のイメージ通りやってくれた感じです」と目に狂いはなかったようだ。

 ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2019は、3月10日まで開催。