「人生の主人公は自分だと思える」 ネット発の歌い手・そらるが10年の間に見つけたもの

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昨年7月に、ソロ活動10周年を迎えたそらる。現在YouTubeのチャンネル登録者数は約75万人、Twitterのフォロワーは約130万人。最も注目を集める「歌い手」のひとりだ。

しかし10年前、動画配信サイトで「歌ってみた」を発信し始めた頃、歌は趣味に過ぎなかったという。時が経つにつれて、その歌声は高く評価され、着実にリスナーを増やしていった。さらにここ半年ほどで、朝の情報番組に出演したり、ドラマ・映画の主題歌に抜てきされたりと、活躍の幅を急速に拡大している。

そんな変化を前に、彼は何を感じているのだろうか。10年を振り返ってもらう中で浮き彫りになってきたものは、“自分の人生における、自分の立ち位置”についてだった。

取材・文/有竹亮介(verb)

「本当にゲームが好きなんだろうなって」

3月6日にリリースされたばかりの新曲『ユーリカ』は、ドラマ『ゆうべはお楽しみでしたね』(TBS系)のオープニングテーマとして反響を呼びましたが、どんな思いを込めて制作されたんですか?
小学生の頃からずっと大好きな『ドラゴンクエスト』がテーマになった漫画原作のドラマということで、オープニングのお話をいただいたときは、「ぜひやらせてください」ってすぐ受けることを決めました。

ドラマ制作側から「基本的に自由に作ってもらって大丈夫」と言っていただけたので、過去に『ドラゴンクエスト』をテーマに制作した『僕のヒーロー』という曲とのつながりを意識しながら、よりドラマの内容に合わせて書いていきました。

ゲームがテーマだったので、1番のAメロや2番のBメロにゲーム的な音を入れようって最初に決めて、そこに合わせて歌詞も書いていった感じです。
曲も詞も、ゲームと現実世界を行ったり来たりするような作りですよね。
『ゆうべはお楽しみでしたね』の主人公・さつきたくみから影響を受けて、書いていった部分が多いですね。
ドラマの撮影現場にも、遊びに行かれたそうですね。
一度、ごあいさつに行かせていただきました。主演の本田翼さんと岡山天音さんにお会いしたんですけど、ふたりとも物腰が柔らかくて、すごく優しそうな方たちだなって印象でした。ただ、自分が緊張しちゃって、挨拶ぐらいしかできなかったんですけど。
本田翼さんがYouTubeでゲーム実況を始められましたが、同じくゲーム実況動画をアップしているそらるさんから見て、いかがでしたか?
本当にゲームが好きでやってるんだろうな、って伝わってきました。これって当たり前のようで当たり前のことではないので、同じゲーマーとしてうれしかったです。
そらるさん自身が、ゲーム実況で心がけていることはありますか?
自分に関しては、ただ自分が楽しければいいかなって感じです。せっかくゲームをするなら配信しようかなという感覚で始めたので、人に見られていることは意識してないですね。

自分が人生の主人公だと思える。それはすごく恵まれてる

『ユーリカ』も、シングルに収録されている『群青のムジカ』『長い坂道』も、すべて「出会い」や「別れ」を感じさせる楽曲ですよね。
リリースが3月なので、時期に合わせて収録しました。『長い坂道』のような卒業ソングは、以前から書きたいなと思っていたんです。自分の高校時代を思い出しながら、書きました。
どんな高校生活を送っていたんですか?
普通の高校生ですよ。音楽が好きでギターを弾いたりはしていたけど、真剣に活動していたわけではなかったです。歌うことは好きだったから、友達とカラオケに行ったり、遊びでバンドを組んでみたり。そのぐらいです。
音楽を仕事にしようとは、考えていなかったんですね。
そうですね。20歳くらいのときに音楽に興味を持って、仕事にしたいって感じたんです。でも、普通はそこで「じゃあ、アーティストになろう」とは思わないじゃないですか(笑)。当時はもう大学生で、現実も見えていたから、エンジニアとして裏方の仕事に就きたいなって考えました。

自分が表に立とうとか、歌を仕事にしようとか、考えたことは一度もなかったですね。自分の歌を動画投稿サイトでアップしていたのも、あくまで遊びでした。
自分の歌声が注目され始めた頃は、どんな気持ちでした?
いきなりバッと人気になったって意識はなくて、10年続けてきた中で徐々に状況が変わっていった結果、今があるって感じなんですよね。もちろん今は多くの人に聞いていただけている実感はありますけど、ゆっくりそうなっていった印象なので、大きな気持ちの変化はなかったですね。

でも、投稿を始めた当時は、自分がライブをしたりCDをリリースしたりするとは、考えてなかったです。
10年前のそらるさんが今のそらるさんを見たら、どう感じるでしょうね。
たぶん、ピンとこないんじゃないかなって思いますね。今でも、ピンときてないところがあるので。
改めて自身の音楽活動を振り返って、どんな10年でしたか?
失敗は多かったです。自分はこういうところがダメなんだな、って自覚する機会がすごくたくさんあったし、普通に生きていくよりも圧倒的に多くの人から声を投げかけられるので、自分を見つめ直すきっかけも多かったと思います。

その中で成功するかしないかは別として、いろんな選択をして、時に運命的な出会いみたいなものもあって、自分が大きく変わっていったなという風には思います。総括して考えると、いい10年だったなって思いますね。

最良ではないけど、まあまあ良かったかな。子どもの頃ってゲームやアニメが好きで、ヒーローに憧れていて、夢見がちじゃないですか。誰しも主人公でいたいと思っていたはずだけど、大人になると「自分は社会の歯車の一部だ」って感じることもありますよね。でも、今の自分は自分の人生の主人公でいられているな、って思えています。すごく恵まれているなって。

動物が○○している姿を見るとテンションが上がる

『アイフェイクミー』が5月公開の映画『賭ケグルイ』主題歌に決まったり、『ZIP!』(日本テレビ系)に出演したりと活躍の幅を広げていますが、戸惑うことはないですか?
10周年を迎えたタイミングで、今までやってきていないことに挑戦しようって思ったんです。長くやってきて、歌を聞いてくれる人がどんどん増えている今の自分は、さまざまなことに挑戦できる立場にいるなって。やれるときにやれるだけやってみようかなって気持ちが湧いたんです。その結果、今の状況があるので、戸惑うことはあまりないですね。
挑戦といえば、昨年10月からYouTubeで『そらるのぐーたらじお』の配信が始まりましたね。
もともとラジオが好きで、ネットラジオを配信したり聞いたりしてたんです。YouTubeでラジオを配信することを決めたときに、動画でアップするなら実写にしようかなって思って始めました。そんなに気合を入れていない企画なので、ダラダラやっていけたらなって感じですね。
フラフープやコアラのマーチの実験など、動画らしい企画にもチャレンジしていて、シュールで面白かったです。
楽しいことなら、なんでもやっていこうと思ってます。今後も続けていけたらいいですね(笑)。
そらるさんってテンションが一定なイメージがありますが、猛烈にテンションが上がる瞬間ってありますか?
動物にエサをあげているときですね。
『ユーリカ』の初回限定盤Bに入っている特典映像で、千葉の「マザー牧場」に行っていましたよね。
動物にエサをあげたくて、マザー牧場に行ってきました。動物たちが必死にエサを食べている姿を見るのが、大好きなんですよね。特典映像では、撮られている意識があるから多少冷静ですけど、普段だったら大爆笑してます。特に好きな動物は、ロバですね。エサを食べてるときの必死さがすごいんです(笑)。

そらるさんに聞く、「出会えてよかった」もの

ここで突然ですが、企画を挟みます。今回のシングルタイトル『ユーリカ』には、「運命的な出会い」といった意味合いも込められているそうですね。というわけで、そらるさんにとって「出会えてよかった〇〇」についてアンケートさせていただき、こちらにまとめました。
「出会えてよかった」といえば、そらるさんは他の歌い手さんとのつながりも多いですよね。中でもAfter the Rainとして一緒に活動しているまふまふさんは、そらるさんにとって特別な存在なのではないでしょうか。
いまやなくてはならない友人であり、ライバルでもあります。技術面はもちろん、スタンスも含めて尊敬できる人ですね。自分はそこまで頑張らないタイプなので、まふまふが自分を追い詰めて頑張っているところを見ると、もうちょっと頑張らないとなって思わされます。

そこから何年もかけて、何回かコラボ動画を上げていって、ふたりでアルバムも出したんです。徐々につながりが強くなっていく中で、「ちゃんとユニットとしてやっていこうか」って話になったんですよね。
ユニット活動や歌い手さんとのコラボの面白さは、どんなところですか?
人と一緒に作品を作ることが好きなんですよね。相談しながら形にしていったり、完成して一緒に喜んだりできると、すごくやりがいがあるなって感じます。
ネット番組『ひきこもりでも○○したい!』でも、歌い手さんたちと共演していますよね。
友人ばかりなので、撮影のときは普段と変わらないですね。最近、みんなからよくいじられるんですけど、昔より仲良くなれたからなんだろうなって思います。

年代的にもジャンル的にも幅広いライブになりそう

3月10日から、ソロツアー『SORARU LIVE TOUR 2019 -10th Anniversary Parade-』がスタートしますが、どんなライブになりそうですか?
今回、初めてファンの方にアンケートを取って、その結果も考慮してセットリストを決めたので、今まであまり歌ってこなかった昔の曲もやります。「やっと聞ける」って思ってもらえる曲も、けっこうあるんじゃないかな。

年代的にもジャンル的にも幅広い内容にできたと思うので、昔から僕を知ってくれている人には懐かしんでもらえるだろうし、最近ファンになってくれた人には僕をさらに知ってもらうきっかけになると思います。もちろん『ユーリカ』をはじめ、最新の曲も歌いますよ。
アンケート結果は、予想通りでしたか?
いや、意外な曲もありましたね。地域別に回答を集計していて、基本的にどこも同じ結果かなって思っていたんですよ。でも、地域によって全然違う曲が選ばれていて、面白かったです。
今回は各地のライブハウスを巡った後、幕張メッセで最終日を迎える日程で、かなり規模感が違いますが、それぞれどんな楽しみ方ができそうでしょう?
会場によって歌う曲や演出が変わったりすると思うので、規模というよりは会場ごとに、それぞれのよさがあると思います。
最後に、ツアーへの意気込みをお願いします。
これまででもっとも規模の大きいツアーなので、失敗したときのリスクを考えて怖くなることがあります。その反面、なんだかんだで自分もみんなも楽しめるようなライブになるんだろうなって自信というか、期待みたいなものもありますね。

難しいことは考えずに、自分も楽しめるだけ楽しみたいですし、その気持ちをみんなにも届けられるライブにできたらいいなって思っています。
そらる
1988年11月3日生まれ。宮城県出身。名前の由来は、空を眺めるのが好きなことから。2008年に動画投稿サイトで活動を開始し、ネットシーンを中心に活躍するアーティスト。2012年6月、1stアルバム『そらあい』をリリースし、オリコン週間ランキング7位を記録。2017年11月には、全国ツアー『SORARU LIVE TOUR 2017 〜夢見るセカイの歩き方〜』を敢行し、全公演ソールドアウト。2019年3月10日から、全国6大都市を巡るツアーがスタートする。

作品情報

『ユーリカ』
3月6日リリース
初回限定盤A[CD+DVD]
TYCT-39104
¥1,600+tax
初回限定盤B[CD+DVD]
TYCT-39105
¥1,600+tax
通常盤[CD]
TYCT-30087
¥1,000+tax

サイン入りポスタープレゼント

今回インタビューをさせていただいた、そらるさんのサイン入りポスターを5名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。

応募方法
ライブドアニュースのTwitterアカウント(@livedoornews)をフォロー&以下のツイートをRT
受付期間
2019年3月9日(土)12:00〜3月15日(金)12:00
当選者確定フロー
  • 当選者発表日/3月18日(月)
  • 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
  • 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから3月18日(月)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき2019年3月21日(木)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
キャンペーン規約
  • 複数回応募されても当選確率は上がりません。
  • 賞品発送先は日本国内のみです。
  • 応募にかかる通信料・通話料などはお客様のご負担となります。
  • 応募内容、方法に虚偽の記載がある場合や、当方が不正と判断した場合、応募資格を取り消します。
  • 当選結果に関してのお問い合わせにはお答えすることができません。
  • 賞品の指定はできません。
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