WBA王者・井上尚弥【写真:Getty Images】

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英メディアのPFP企画でGGG、ワイルダーらを抑えて1位選出

 ボクシングのワールド・スーパー・ボクシング・シリーズ(WBSS)バンタム級準決勝(5月17日・グラスゴー)でIBF王者エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)と対戦するWBA王者・井上尚弥(大橋)。17戦全勝15KOと圧倒的な強さは階級を超えて評価を高めているが、英メディアが破壊力を比較した「最強パンチャーパウンド・フォー・パウンド(PFP)」でなんと1位に抜擢。現役ヘビー級王者を抑え、モンスターの破壊力が絶賛されている。

 日本が生んだボクシング界の怪物。海外では、敬意を持って「The Monster」と表される井上が、ボクシングが盛んな英国で高い評価を受けている。「今日のパウンド・フォー・パウンド最強パンチャートップ10」とのタイトルで特集を組んだのは、英スポーツ専門ラジオ局「トークスポーツ」電子版だった。

 記事では、同局のジョー・コールマン記者が「純粋な腕力とパワーのみにフォーカスしたパウンド・フォー・パウンドのランキング」を選出し、トップ10を発表。7位の世界3団体ヘビー級王者アンソニー・ジョシュア(英国)、5位の元IBF世界ミドル級王者デービッド・レミュー(カナダ)ら、世界のハードパンチャーが並んでいる。

 トップ3には3位の「GGG」こと、元ミドル級3団体統一王者ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)、2位にはWBC世界ヘビー級王者デオンテイ・ワイルダー(米国)が君臨しているが、彼らも1位ではない。ランキングのトップに記されている名前は「Naoya Inoue」だった。

「ナオヤ・イノウエは、ボクシング界の主要な話題に挙がる名前ではないかもしれないが、“モンスター”の異名を取る男は、彼が持つ信じられないパワーによって正当に評価されるべきだろう」

才能を高く評価「もし、彼が欧米出身で130ポンド以上の体重があったら…」

 寸評では、このように言及。「もし、彼がアメリカかヨーロッパの出身で、130ポンド(約58.9キロ)以上の体重があったら、日本人のスーパースターがパウンド・フォー・パウンド最強と考えられる可能性は十分にあっただろう」と記し、軽量級であるがゆえに過小評価されているが、25歳が放つ才能の輝きを高く評価している。

「イノウエの素晴らしいスキルとリング上での技術は、昨年10月のフアン・カルロス・パヤノ戦よりも前から知られていた。しかし、その試合での破壊的な1ラウンド勝利が、ボクシングの世界に衝撃を与えた」

 WBSS初戦、それまでKO負けが一度もなかった元スーパー王者をたった一撃のワンツーで70秒KO。その衝撃こそが、井上の評判を確固たるものにしたと評価した。「25歳は今日におけるパウンド・フォー・パウンド最強パンチャーだと、多くの人から考えられている」と紹介し、5月17日にロドリゲスと拳を交えると伝えている。

 今や、その破壊力は階級を超え、英国でも評価されている井上。その英国でWBSSセミファイナルの舞台に立つ。またも衝撃KOで世界を驚かすことができるか。熱視線がモンスターの拳に降り注いでいる。(THE ANSWER編集部)