おととし(2017年)、福岡県の山口叶愛ちゃん(2歳)が虫歯の治療後に死亡した事件で、福岡県警はきのう7日(2019年)、歯科医院の院長を書類送検した。容疑は治療に関してではなく、容体が急変した後も救命措置を怠った業務上過失致死だ。死因は麻酔薬リドカインによる急性中毒で、血中濃度が上がって痙攣を起こしていたが、院長は救急車を呼ぶなどの手配をしなかった。

両親によると、叶愛は局所麻酔をかけられ、口にはゴム製のカバー、体は動かないようにタオルとネットで巻かれた。40分後に治療が終わった時、異変に気付いたのは両親だった。叶愛ちゃんの顔は青ざめ、体が硬直し痙攣していた。

しかし、院長は、「よくあること。疲れているだけ」と取り合わず、そのうち痙攣がひどくなったため、両親が他の病院へ運んだ。体温は40度もあり、口から出血して、体も変色していたという。麻酔薬によるアナフィラキシーショックと見られる。

片っ端から歯を削って高い治療費

院長がすぐに対処しなかったのはなぜか。救急車を呼ぶと「評判が落ちるから」という理由だったようだ。虫歯を削る治療にも疑問が出ている。叶愛ちゃんは16本中14本が削られており、この日だけで5本の治療を受けていた。

「3歳児未満では、緊急時以外は虫歯を削らない」のが常識で、何本も削ったのは、歯を削ると医療点数が120点と高いからではないかという指摘がある。薬だけだと45点。「モラルハザード(倫理観の欠如)の問題」という医師もいた。

司会の国分太一「対応が早ければ、助かっていたかもしれないんですよね。救急車が来たら評判が下がるからだとしたら、絶対にあり得ないこと。頼りたい医師を疑わなきゃいけないのは、悲しいことですよ」