わざわざ行きたくなる空間

JR姫路駅から播但線で6駅、溝口駅から歩いて10分ほどのところ、住宅街のなかに「大塚香作所」はあります。

自宅の一角にある納屋をリノベーションしたという、木の温もりあふれるお店は、1階がショップ&キッチンとカウンター席、2階が靴を脱いで上がるカフェスペースになっています。

アンティークのテーブルや棚、ソファなどが配されたセンスの光る空間は、すべてオーナーの大塚寿人さんが手がけられたとのこと。こだわりのDIYと、時代を経た魅力的なインテリアがくつろげる雰囲気です。

作ることができるのは1日2本!

「大塚香作所」では、金〜日曜にカフェ営業とバームクーヘンの販売をしています。バームクーヘンを作るのは、火〜木曜の仕事。

木こりの友人から分けてもらう間伐材を窯にくべて火を起こし、焚火でバウムクーヘンを焼いていきます。

パティシエ歴10年の大塚さんは「田舎で店をするからには、楽しいことを考えないと…」と一念発起。
自分で手作りした窯で手焼きしている「焚火バームクーヘン」(1242円)は、なんと1日2本のみ。1本から14個のバームクーヘンができるので、1日28個作るのがやっと、とのこと。一定ではない焚き火の火力を肌で感じながら、8〜9層のバウムクーヘンを手間ひまかけて焼き上げていきます。

スモーキーな香りもおいしさの秘密

焚火バームクーヘンプレート 432円

封を開けた瞬間、スライスした瞬間に広がるのはスモーキーな香り。まさに切り株のたくましい年輪のようなバームクーヘンは、大塚さん渾身のお菓子です。
カフェでイートインできるバームクーヘンは、カットとそぎ切りにしたものをひと皿に。材料には、兵庫県産のシロガネ小麦粉、市川町の「牛尾農場」の平飼い卵、四つ葉バター、奄美大島の素焚糖、岐阜「白扇酒造」のみりんなどを使用しています。

キャラメルバナナクレープ 702円、コーヒー 432円

バームクーヘンのほか、「天然酵母のクレープ」も人気。コーヒーは、姫路市野里の「NAKAZAKI COFFEE ROASTER(ナカザキ コーヒー ロースター)」の豆を使用しています。

タダムギ香ルサブレ 216円

「タダムギ香ルサブレ」は、「大塚香作所」のもうひとつのこだわり商品。石臼で自家製粉した全粒粉のサブレは、ザクザク感と風味が楽しめます。
少し行きにくい場所にある「大塚香作所」ですが、ここにしかない味をぜひ一度味わってみてください。


■大塚香作所
住所:兵庫県姫路市香寺町溝口667
Tel:090-4568-9659
営業時間:11〜18時(カフェは〜17時)、売切れ次第終了 ※取り寄せ不可、予約がおすすめ
定休日:月〜木曜(6〜9月は休業)、イベント時は休み

Text:いなだみほ

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