安定の水谷豊

 テレビドラマがリアルタイムで見られなくなっている現在、成功度を従来の「視聴率」だけで測ることは難しくなってきた。

 大手広告代理店では、各作品の「総制作費」と「視聴率」をもとに計算された「採算分岐点」から、コスパを換算し、さらに録画視聴の指標である「タイムシフト視聴率」などを加味して、ドラマの成否を判断している。

 本誌は、そうしたさまざまな指標のひとつで、ドラマ制作者たちのリアルな声が掲載されている極秘データを入手した。「視聴率3冠王」の日本テレビと、しのぎを削っているテレビ朝日。ドラマも好調なようだ。

 同局でいちばん評価がよかった作品は、毎シーズン安定した数字をたたき出し、いまや日本を代表するドラマといえる『相棒 season17』(1月期全6話放送終了、毎週水曜21時00分〜)だ。主演の水谷豊は、米倉涼子と同額の1本350万円で、民放各局における現在最高のギャラである。

●メインキャスト:
 水谷豊、反町隆史ほか

●現場の声:
「最近になって、水谷さんが監督にいろんなアイデアを出されるになったが、演出に不満で口を出しているのかな(笑)」
「ゲストで来る役者さんの張り切りようが、とにかくすごいです」

 テレ朝ドラマ第2位も、同じく警察もの。記憶喪失の捜査員を沢村一樹が演じる『刑事ゼロ』』(毎週木曜20時00分〜)だ。現在までの平均視聴率は約11.46%と好調。

 だが、2月27日放送の第8話は9.9%と初の一桁台を記録し、最終9話に向けてやや不安が残る。また、タイムシフト視聴率も伸び悩んでいる。

●メインキャスト:
 沢村一樹、瀧本美織、武田鉄矢ほか

●現場の声:
「ヒロイン役が、あまり旨味がないのか、なかなか決まらず。瀧本さんに落ち着いたのだが『パンチがない』と揶揄されていた」
「失礼ながら、沢村さんの主演作に、ほとんど釣果を期待していなかったので、嬉しい結果です」
「日頃は『口うるさい』といわれている武田鉄矢さんも、出番が少ないわりにギャラがいいからか、上機嫌みたいです」
「沢村さんは、この現場でも、エロ男爵ぶりを発揮してくれています。瀧本さんにも、沢村さんはセクハラぎりぎりで。まあ、それで現場は和みますけど(笑)」

 続いて第3位は、『ハケン占い師アタル』(毎週木曜21時00分〜)だ。制作費はローコストにもかかわらず、視聴率が平均で2桁台というコスパドラマ。

 主演の杉咲花は、ギャラもまだ安いが、ほとんど「杉咲押し」の体制で、数字の獲得に貢献。このドラマのミソは、脚本と演出も兼ねる遊川和彦氏。「口うるさい」と評判だが、それがドラマを支える魅力を引き出しているのかも。

●メインキャスト:
 杉咲花、小澤征悦、志田未来ほか

●現場の声:
「役作りなのか、ときどき杉咲さんが奇声を発してます(笑)」
「脚本演出も含めて、『面倒な陣営』ですが、杉咲さんは堂々と渡り歩いています」
「遊川さんは、自分の思いに徹底的にこだわるあまりに、ほかの演出家に口を挟んだりして、現場では不協和音も」

 一方、失敗判定のドラマもある。『僕の初恋をキミに捧ぐ』(全話放送終了、毎週土曜23時15分〜)がその筆頭だ。

 もともと全体の制作費も抑えられていたので「大ケガ」にはならないが、採算分岐点が低めにも関わらず、クリアできず。全話平均視聴率は3.13%と低調だった。

●主要キャスト:
 野村周平、桜井日奈子

●現場の声;
「現場では、主演の野村さんと、ほかのキャストやスタッフのあいだに、明らかな不和がありました」
「野村さんは、リハーサルからまったくやるが気ない」
「やる気がないのが、野村さんのスタイルなのでは?」
「野村さんは、現場に馴染めないでいる」

 続いて失敗判定の第2位は、岡田結実が初主演を務める『私のおじさん〜WATAOJI〜』(毎週金曜23時15分〜)だ。同局で『おっさんずラブ』を当てた、貴島彩理プロデューサーが担当しただけに、業界では5%以上の視聴率が期待されていたが、3/1放送の第7話を終えて、平均視聴率は4.24%と低調。

●主要キャスト:
 岡田結実、遠藤憲一、小手伸也

●現場の声:
「岡田結実ちゃんはいい子なんだけど……女優としてはどうかな」

 失敗判定の第3位は、『パーフェクトクライム』(毎週土曜26時30分〜)だ。電子コミックサイトで、600万ダウンロードを突破するなど20代〜30代の女性に圧倒的な支持を得ている作品の実写化。

 とにかくお色気シーンがウリで、主演のトリンドル玲奈が毎回ベッドシーンとキスシーンを披露している。さらに伊藤ゆみ(元ICONIQ)も負けじと、深夜ドラマならではの露出で過激な内容に。製作費がローコストなので、大火傷でもないが、数字には響かないのが現実。

現場の声:
「宣伝するのに、結局はエロで売るしかない」
「ラブシーンは、トリンドルさんも頑張ってますけど、伊藤さんがむしろ積極的で、スタッフとしては美味しいです!」
「ここまでのラブシーンは初めてだったトリンドルさんですが、いざ撮影となると意外と堂々として、遠慮する共演俳優たちに『普通に触ってもらって大丈夫です』と言っていました。スタッフの間では『意外とやり手なんじゃないの?』と評判です。
 ただし、さすがに一番最初のベッドシーンの直後には楽屋で泣いていたようですよ」

 ドラマ制作の現場は、スタッフのさまざまな思いが交錯しているのだ。

※数字は3月4日現在のもの