小渕氏これで有名人になった(C)共同通信社

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 4月1日の「新元号」発表まで1カ月を切り、政府は具体的な案の絞り込み作業に入っているという。そんな中、永田町でもっかの話題になっているのが、「誰が新元号を発表するのか」である。

安倍首相が口出し「新元号は日本の古典から」の無知と不遜

 安倍首相は年頭記者会見などの場で、新元号の選定について「平成改元時の手続きを踏まえつつ決めたい」と語っている。当然、発表者は前回同様「官房長官」になると思われていたが、ここへきて雲行きが怪しくなってきたのだ。

 前回は昭和天皇が崩御した直後のバタバタの中で新元号が発表された。しかし、今回は実際の改元の1カ月前に発表するわけで、前回とは状況が異なる。つまり、発表も“政治的”な色合いが濃くなるわけだ。

「そこで、安倍首相が自分で発表することに意欲を示しているそうなのです。レガシーづくりに躍起の安倍首相にとって、新元号発表は歴史に残る大役。もともと安倍―菅は微妙な関係ですから、安倍首相には菅官房長官にやらせたくないという気持ちもある。菅長官も安倍首相の気持ちを忖度して、『総理がやるべき』と進言するんじゃないか。新元号の候補には、まだ『安』の字も残っているようですしね」(自民党関係者)

 新元号の発表が歴史に残るのは、「平成」の小渕官房長官で証明済み。額縁に入った「平成」の文字を掲げるシーンはテレビで幾度となく流され、平成改元時の首相が誰だったのかを覚えていなくとも(ちなみに竹下登だった)、官房長官は全国民が知っている。小渕氏は後に首相になったが、国民には「平成オジサン」としての方が有名なほどだ。

 政治ジャーナリストの泉宏氏が言う。

「竹下さんは『(平成の元号を)決めたのはオレなのに、歴史に残るのは小渕なんだよなあ』と言っていました。そうなることを百も承知で小渕さんに発表役をやらせてあげたわけで、『手柄は人にあげましょう』という人だったんだな、とあらためて思った次第です」

 安倍首相が自ら新元号を発表するのかどうか。さすがに官房長官の役回りを“強奪”するのはみっともないから、「発表は菅長官に任せて、安倍首相は文字を書く」(前出の自民党関係者)なんて案も浮上しているらしい。国立公文書館で売られている「平成」の文字のクリアファイルがバカ売れしているから、それでも「歴史に名を残す」ってことにはなるか。