英国のエレクトロニック・バンド、ザ・プロディジーのフロントに立つ熱情的なカリスマ、キース・フリントが2019年3月初めの週末、イングランドのエセックスにある自宅で亡くなった。享年49歳だった。「真のパイオニアでイノベーター、そしてレジェンドだった。彼の死は永遠に悼まれるだろう」とバンドはコメントを発表。バンドメンバーのリアム・ハウレットは「ショックが大きく怒りを覚える。混乱して胸が張り裂けそうだ」と述べている。

「兄弟であり親友でもあるキース・フリントの死に際し、大きな驚きと深い悲しみに包まれている」とバンドは公式声明の中で述べている。「真のパイオニアでイノベーター、そしてレジェンドだった。彼の死は永遠に悼まれるだろう。関係者のプライバシーに配慮いただき感謝する」

3月4日朝の時点で死因は公式に発表されていないが、プロディジーの創設者のリアム・ハウレットはInstagramで、フリントの死は自殺であったことを明かしている。「ニュースは本当だ。こんなことを語らねばならないとは信じられないが、我々の兄弟キースが週末に自ら人生を終わらせた。ショックが大きく怒りを覚える。混乱して胸が張り裂けそうだ……兄弟よ、安らかに」

エセックス警察署の報道官は、ガーディアン紙にフリント死亡の事実を認めた。「我々は現場へ出動し、残念ながらその場で49歳男性の死亡を確認した。通報者は彼の近親者だった。死因に不審な点はないということで検視官向けの書類が作成されるだろう」

当初はダンサーとしてプロディジーに加入したフリントだが、1997年にリリースされたアルバム『The Fat of the Land』からヴォーカルとしてバンドの顔となった。同アルバムからは「Breathe」、「Firestarter」、「Smack My Bitch Up」がシングルカットされ、大西洋の両側でヒットした。

1997年、フリントはローリングストーン誌の表紙を飾り、彼のカーニバル風パンクルックにインスパイアされた”ウィアード・アル”・ヤンコヴィックは、パロディ動画「Lousy Haircut」を制作した。

人気の絶頂にあった時期に5年間レコーディングしなかったプロディジーとフリントは、2002年にシングル「Babys Got a Temper」をリリース。フリントによる歌詞は、デートレイプ・ドラッグのロヒプールを称えるような内容だったため、ハウレットは後に同曲との関係を否定。『The Fat of the Land』に続くアルバム『Always Outnumbered, Never Outgunned』(2004年)に収録予定だったが、除外された。同アルバムのヴォーカルは、フリントに代わって複数のゲストが務めた。

ザ・ケミカル・ブラザーズは、「キース・フリントの死に際し、とても悲しみに沈んでいる。プロディジーとは何年にも渡り多くのライヴで共演した。メンバーは皆フレンドリーで協力的だった。彼は驚くべきフロントマンで、実に独創的な人間だった。彼の冥福を祈る」とツイートしている。