トップダウンで決める(C)日刊ゲンダイ

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 新元号の発表まで1カ月。すでに候補が出そろい、菅官房長官を中心に絞り込み作業が進められているというが、ビックリするような元号に決まるかもしれない。安倍首相が、またおかしなことを言いだしたからだ。

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 これまで元号は中国の古典から選ぶ習慣だった。しかし、安倍首相は周辺に対し、「元号の出典は日本で書かれた書物がいい」と話しているというのだ。

 漢字が苦手なのは分かるが、日本の古典ももともとは漢文だ。江戸時代には、8世紀の歴史書「日本書紀」から引用した新元号案が審査対象になった例もあるというが、これも漢文で書かれている。役所の公文書も明治初期までは漢文だった。

「日本の古典から選ぶのは、中国嫌いの右派支持層に配慮したのだと思います」(官邸関係者)

 だが、大和言葉から選ぶのは無理がある。万葉集は全編、漢字で記されているが、この万葉仮名は、漢字の持つ意味に関係なく音だけを日本語の表記にあてはめたもの。天皇のおくり名としても使われる元号は、漢字の意味も重視するから、元号の候補にはそぐわないはずだ。まさか、「あけぼの元年」とか「たまゆら元年」とか、平仮名の元号にでもするつもりなのか。はたまた、明治が大好きな安倍首相のことだから、夏目漱石の小説から引用すればいいとでも考えているのか。

「元号の選定は有識者に任せるべきで、首相が『こうしたい』などと口出しするのは根本的におかしい。元号への介入は天皇の政治利用も同然ですが、権力を誇示したい安倍首相は、新元号を官房長官ではなく、自分が発表すると言いだしかねません」(政治評論家・森田実氏)

 元号までも私物化するとすれば、不遜の極みだ。