定例会見での菅官房長官(首相官邸ホームページより)

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定例会見での菅官房長官(首相官邸ホームページより)[/caption]「あなたに答える必要はありません――。

 2019年2月26日午後の定例記者会見で菅義偉官房長官が東京新聞・望月衣塑子記者に言い放った一言が波紋を広げている。

 望月記者を擁護する記事、逆に菅官房長官を支持する記事が入り乱れ、実際に記者会見を見たことが無いであろう大半の方々は困惑しているのが実態ではないだろうか。そこで、本記事ではできる限り「事実」に基づいて、2月26日午後の会見で起きたことを検証していきたい。

 まず、当日午後の望月記者の質問計2問は約2分半の検証動画として公開しており、実際の映像をご自身の目と耳で確かめて頂きたい。

 司会者(内閣府職員・上村秀紀 報道室長)から「質問は簡潔に」と2回妨害されていることが映像でも確認できる。一方、他5人は1度も注意されていない。もし実際に望月記者の質問時間が他記者よりも異様に長いのあれば、この注意は妥当であろう。その妥当性は次の棒グラフで検証したい。

 この棒グラフは、平均質問時間(青)と司会者から妨害された回数(赤)を示している。また、望月記者が妨害を受けた18秒ごろに赤い点線を引いている。

 この棒グラフから読み取れることは、質問開始から18秒が注意の目安であるならば、他5人は18秒を超えても妨害を一切受けていないのは不自然だ。司会者は望月記者だけを狙って質問妨害したと考えざるを得ない。

 ちなみに同日午前の記者会見で質問妨害について問われた菅長官は「妨害をしていることはあり得ません」と答えており、この棒グラフが示した「事実」と菅長官の発言には大きな隔たりがあることも、また「事実」だ。

 ただ、妨害が最も酷かった今年1月頃と比較すれば、2月に入って妨害の頻度は減っている。

 例えば、望月記者が沖縄県民投票をめぐるハンガーストライキについて質問した1月18日午後の会見では2問の質問に対して計8回も妨害が入った。この会見も約2分半の検証動画として公開しており、質問開始から数秒おきに妨害が繰り返される異常な様子を確認できる。

◆他の記者と大差なかった質問構成

 ここまで「質問時間」に着目して検証してきたが、ここからは「質問内容」に焦点を当てたい。

 具体的には、2月26日午後に質問した記者全6名の全質問を信号無視話法の観点で分析する。

「信号無視話法」分析では各記者の質問内容を以下の配色ルールに沿って色分けすることとする。

青信号:質問内容
黄信号:質問の前置き、質問に関係する経緯を説明
赤信号:質問と無関係、事実誤認
通常色:不要な言葉、言い間違い、似た言葉の繰り返し(読み飛ばしたほうが理解しやすい箇所)

 また、菅長官は「会見は記者が意見を述べる場ではない」と考えている様子のため、記者の個人的意見と思われる箇所は< >で括って区別してみよう。

 望月記者に対しては、「自分の意見を喋り続け、なかなか質問に移らない」「質問に事実誤認がある」といった批判があり、その批判が正しければ望月記者は他の記者と比べて黄信号や赤信号の割合が高く出て、< >で括られる部分も望月記者だけ多くなるはずである。

 この会見で質問した6人記者の所属と名前、質問内容は以下を参照いただきたい(✳︎漢字が不明の記者がいるため、記者全員を公平にカタカナで表記する)。

共同通信・オガサワラ記者
産経新聞・ナカムラ記者
フジテレビ・チダ記者
北海道新聞・カネコ記者
ニコニコ・ナナオ記者
東京新聞・モチヅキ記者

◆6記者とも大差なかった色別分析結果

共同通信・オガサワラ記者:黄信号67%、青信号25%、地の色8%