鳥栖FWトーレス【写真:Noriko NAGANO】

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神戸の攻撃をしのぐも不運なミスから失点 トーレスもシュート1本に終わり開幕2連敗

 サガン鳥栖の元スペイン代表FWフェルナンド・トーレスは、2日に行われたJ1リーグ第2節ヴィッセル神戸戦で、長年スペイン代表で共闘した同胞のMFアンドレス・イニエスタ、FWダビド・ビジャと対戦。

 守備に回る時間が長く、自身もシュート1本に終わって0-1で敗れたなか、トーレスが“脅威”に感じたこととは――。

 鳥栖は5バック気味の守備的な布陣で、ビジャ、イニエスタ、元ドイツ代表FWルーカス・ポドルスキと強力なメンバーが揃う神戸に立ち向かった。しかし、開幕戦の“ゼロトップ”から本来のトップ下に戻ったイニエスタにボールを集められ、DF西大伍、DF初瀬亮の両サイドを使った攻撃に押し込まれる展開が長く続いた。

 ビジャのクロスバー直撃のシュートもあったなかで、前半はなんとか無失点で切り抜けた鳥栖だったが、後半9分に最終ラインのクリアミスからビジャに日本初ゴールを許してビハインドの展開に。FW金崎夢生はサイドに流れて何度かドリブル突破で敵陣のペナルティーエリア内まで入り込んだ一方、トーレスは相手の厳しいマークで思うようにボールを収められず。神戸のボールホルダーにプレスをかけに行ったなかで味方のサポートがなかった際には、厳しい表情で身振り手振りを交えてチームを鼓舞した。

「相手(神戸)はしっかりボールを持つようなスタイル。自分たちが守備に回ったのは事実。不運な形で失点してしまって、攻撃の部分は自分たちがより良くなっていかないといけない」

 このように語ったトーレスは、同胞であり、スペイン代表で世界一に輝いたメンバーのイニエスタとビジャとの対戦について「親友・パートナーとピッチの上でやれるのは素晴らしいこと」と感想を述べたうえで、神戸の攻撃に脅威を感じていたことを明かした。

「アンドレスを介して、ビジャ、ポドルスキにつながるパスは危険性を感じた」

「神戸が攻撃的なスタイルで来るのは目に見えていた。アンドレス(イニエスタ)を介して、ビジャ、ポドルスキにつながるパス、スペースに出すパスには危険性を感じたし、そこはやはり脅威だった」

 トップ下に入ったイニエスタを中心とした攻撃は、5バックを敷いたなかでも圧力を感じていたという。鳥栖は開幕2試合でノーゴールに終わり、開幕2連敗で最下位となってしまったが、トーレスは「1試合目に比べて良くなった部分はある」と前を向く。

「前を向いて(攻撃で)進めた部分もあった。もちろん、良くならなければならないことは多い。まだシーズンは始まったばかり。監督が目指すものをしっかりやりながら、自分たちは良くなるだけ」

 世界を知るトーレスは、同胞との対戦で敗れたなかでも懸命に前を向きながら会場を後にした。(Football ZONE web編集部・小田智史 / Tomofumi Oda)