こんな光景もなくなってしまう!?  photo by よっしー / PIXTA(ピクスタ)

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 パチンコ遊技機のメーカーで構成される日本遊技機工業組合(日工組)と、パチスロ遊技機のメーカーで構成される日本電動式遊技機工業協同組合(日電協)が、次世代遊技機として、管理遊技機(パチンコ)、メダルレス遊技機(パチスロ)の開発を進めている事を明らかにした。

 管理遊技機、メダルレス遊技機の特徴は、新設する管理サーバーに日本全国の該当遊技機の出玉情報を集約し、各台の出玉状況を一元的に容易に確認することが出来る。

 日工組・日電協は、この管理遊技機、メダルレス遊技機の導入は遊技機の射幸性を抑制管理することにより、ギャンブル等依存症対策に資するとしている。

 しかし管理遊技機やメダルレス遊技機を導入し、出玉情報を一元的に管理すれば、なぜ「射幸性の抑制」に繋がり、「依存症対策に資する」ことになるのか?

 管理遊技機やメダルレス遊技機は、既存のパチンコ遊技機とどう違うのか。

 まずもって大きく違うのが、遊技球(玉)やメダルを遊技客が触る事がないというもの。管理遊技機の場合は、遊技機内部で遊技球を循環させるし、メダルレス遊技機においては、メダルそのものが存在しなくなり、出玉はすべて電子情報化される。

 こうする事により、出玉情報を一元的に管理する際の誤差を無くすことが出来るようになる。

 この球やメダルを無くすという事は、パチンコホール側にもユーザー側にも少なからずメリットがある。

 パチンコホールにとっては、球やメダルの保守管理(清掃等)の手間が省けコストダウンが図れるし、球箱の上げ下ろしや計数の際の負担もゼロになる。また、あえて詳しい手法は書かないが、様々なゴト行為(※不正な手法で出玉を獲得する行為)を防ぐことも出来る。

 ユーザーの立場になっても、球やメダルがなくなるという事は、台移動や計数に関わる利便性が向上するほか、誰が触ったのかも分からない球やメダルを触る事がないので、衛生的にも良いと思われる。

その他、ゲーム性や細かな部分においても既存の遊技機との変更点はあるが、本稿では割愛する。

◆管理遊技機やメダルレス機は依存症対策に有効!?

 本論。ではなぜ、管理遊技機やメダルレス遊技機は依存症対策に資するのか。

 現時点では、出玉情報を一元的に管理する事により、異常値を発する遊技機を発見しやすくなる。

 例えばパチンコ遊技機。現状の新基準のパチンコ遊技機は「ベース30以上」での運用が当たり前となっている。

 パチンコ業界外の人には分かりにくい事であるが、「ベース30」と言うのは、パチンコ遊技機が100発の遊技球を発射した場合、30球は出玉として払い出されるという事である(スタートチャッカーに30回入るという意味ではない)。

 あくまでこの30球とは、「大当たり」状態ではないという前提で、スタートチャッカーや遊技機の下部左右にある他入賞口に球が入った場合に払い出される球の数である。

 遊技機によって、メーカーの推奨ベース値は若干前後するが、一般的には32〜36程度である。この、最低でも「ベース30」を担保する事により、遊技客の過度な投資を抑え、少しでも長く遊んでもらえるようになり、これが「遊技機の射幸性を抑制」する一つの根拠となっている。

 管理遊技機に移行し出玉情報を一元的に管理出来れば、このベース管理が容易になるという事。パチンコホールが遊技機に手を加え、メーカー推奨値をはるかに下回る低いベース値でパチンコ遊技機を運用した場合、それは「異常値」として検出され、当該パチンコホールは是正を余儀なくされる。

 メダルレス遊技機の場合は、パチンコ遊技機と違い、ベース値をホール側が調整するという事は、悪質な不正行為を行わない限り出来ない事であるが、ゴト師等によるゴト行為を容易に検出できることにより、適度な射幸性を維持する事が出来る。