日本で携帯電話向けに発明された絵文字は、スマートフォンの世界的普及と共に海外の人々にも受け入れられ、「Emoji」と呼ばれて親しまれています。そんな中、オーストラリアでは、実際に車に取り付けられるナンバープレートに絵文字をあしらったデザインが登場し、賛否両論を巻き起こしていると報じられています。

Queensland drivers can soon add emojis to their personalised plates

https://www.brisbanetimes.com.au/national/queensland/queensland-drivers-can-soon-add-emojis-to-their-personalised-plates-20190219-p50yor.html

Emoji license plates will soon be available in Queensland, Australia - The Verge

https://www.theverge.com/2019/2/20/18233004/emoji-license-plates-australia-queensland

絵文字入りのナンバープレートの予約注文を受け付けているのは、オーストラリアのクイーンズランド州で公式にナンバープレートを発行しているPersonalized Plates Queensland(PPQ)です。PPQはこれまでさまざまな色やテーマのナンバープレートを提供していて、中には地元のスポーツチームのロゴ入りのものなど個性的なナンバープレートを数多く発行しています。



PPQがFacebookに公開している絵文字入りナンバープレートのデザインはこんな感じ。

ただし、この絵文字は登録番号には含まれず、あくまでも飾りとのこと。そして、ナンバープレートに使える絵文字は「笑顔」「爆笑(泣き笑い)」「ウィンク」「サングラス」「ハートの目」の5つのみであり、他の絵文字は選べないそうです。クイーンズランド州の自動車協会であるRoyal Automobile Club of Queenslandの広報担当であるRebecca Michael氏は「絵文字の提供は当然のことです。これまでナンバープレートに描いてきたスポーツチームのロゴや町のシンボルと違いはありません」と地元のニュース番組の取材に対して答えています。

一方で、飾りであるとはいえアルファベットや数字に続く新しい文字として受け入れられつつある「Emoji」の採用に対して慎重論も出ています。クイーンズランド州弁護士会の会長を務めるBill Potts氏は「政府は金稼ぎのためにナンバープレートを下品なものにしようとしているのがわかります」と地元新聞のインタビューの中で難色を示していました。

また、Potts氏は「ナンバープレートは、警察が車両を識別できるようにするためのものです。事故が起こった時にどうやって絵文字を書類に記入するのでしょうか?」と、絵文字が警察のナンバープレート認識システムに悪影響を及ぼす可能性を指摘しています。実際、「アメリカの裁判記録を見ると、2014年以降で絵文字が登場する頻度は急増傾向にある」という指摘もあり、「法律の世界で絵文字をどうやって取り扱うべきか」という問題はまだ解決していないのが現状です。



FacebookやInstagramに寄せられたコメントの中には「とっても素敵!他の顔文字があればもっといい」「仕事中でも見かけたらクスッと笑えるからぜひ実現してほしい」と絵文字入りナンバープレートを歓迎する声もあれば、「エイプリルフールの冗談じゃないのか?」「絵文字入りなのにウンチの絵文字が使えないなんて……」と戸惑いの声もありました。PPQによると、絵文字入りナンバープレートの予約注文は2019年3月1日から行われ、価格は475オーストラリアドル(約3万7000円)からとのことです。