軽自動車枠の拡大によりフルモデルチェンジを強いられた車種も

 国産車のフルモデルチェンジのサイクルは平均すると5年前後。商用車など長いものだと10年近く小変更を繰り返して販売される車種も存在している。しかし、一方で短命でモデルチェンジを果たしたり、絶版車となったりしてしまった車種も少なからず存在する。今回はそんな短命に終わった車種をご紹介しよう。もちろん限定車(期間、台数など)は除外している。

1)ホンダ・ライフ(2代目)

 もともとは1970年代に360cc時代の軽自動車として登場していたライフ。その名前を1997年4月に復活させ、トールワゴンとしてリリースされたのが2代目ライフだった。基本コンポーネンツはトゥデイから流用しているが、方向性はまったく異なる車種に仕上がっている。

 そんな2代目ライフだが、デビューから1年半後の1998年10月に早くもフルモデルチェンジを果たし、3代目となっている。といっても、これは軽自動車枠が拡大されたことに対応するためで、実質的にはマイナーチェンジと言えるかもしれない(ホンダはフルモデルチェンジと言っているが)。

2)マツダ・エチュード

 1985年に登場したBF型ファミリアハッチバックをベースに、都会的で洗練されたパーソナルカーとして生み出されたのが1987年にデビューしたエチュードだった。ファミリアに比べて115mm長く35mm低められたシルエットで別車種感を醸し出してはいたものの、まだまだ小さな高級車は受け入れられなかったようだ。

 当初は1.6リッターのみだったが、急遽1.5リッターを追加するも販売は好転せず、89年にひっそりと生産を終えている。

生産台数わずか500台の激レアモデルも存在!

3)スズキ・X-90

 1993年の東京モーターショーに参考出品された際に反響が大きかったために1995年に市販化となったX-90。エスクードをベースにし、Tバールーフを持った2シーターSUVだった。ベースとなったエスクードのコンバーチブルモデルよりも安価な価格設定ではあったが、やはり2シーターということが災いしたのか、日本国内では1000台ほどしか売れず、97年にはラインナップから消えている。一方で海外では人気車種であり、専用のコミュニティがあるほどだ。

4)スズキ・キャラ

 軽自動車ながらペリメーター型フレームにエンジンをミッドシップにマウント、ガルウィングドアまで採用したマツダ(オートザム)AZ-1のOEM車であるキャラ。しかしAZ-1のエンジン自体はスズキ製のF6A型エンジンなので、純然たるOEM車と言っていいのか分からないところだが、販売スタートはAZ-1の1992年10月から数か月遅れの1993年1月で、生産終了はAZ-1よりも早い1994年11月と2年弱だった。AZ-1自体も4000台ちょっとの生産台数だったが、キャラはもっと少なく500台ほどであった。