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中途採用比率が高く、平均勤続年数が長い会社の1位は郄島屋 (撮影:今井康一)

中途採用を積極的に行い、かつ働きやすい会社はどこか――。

1月30日の配信記事「新卒でないと入りにくいが、勤続年長い143社」では、新卒の採用比率が高く、平均勤続の高い会社を紹介した。では、中途が多い会社の場合はどうなのか。


『CSR企業総覧(雇用・人材活用編)』2019年版(東洋経済新報社)。画像をクリックすると東洋経済オンラインストアにジャンプします

そもそも中途採用が多い会社は「人の入れ替わりも激しく定着率も低いのでは」という見方をされやすい。しかし、その常識を覆す会社は少なくない。そこで、今回は中途採用を積極的に行っていて、かつ平均勤続年数が長い会社を抽出し、ランキング形式でまとめた。

『CSR企業総覧(雇用・人材活用編)』2019年版掲載データを使い2017年度の中途採用者数と2018年4月新卒採用者数(一部、通年採用や第2新卒等を含む)の合計に対して中途採用者数が占める割合を、年間の「中途採用比率」として算出。この比率が50%を超える会社を対象に平均勤続年数が10年以上の117社をピックアップした。ランキングは平均勤続年数の順になっている。

1位郄島屋は中途採用比率51.9%で平均勤続23.3年

ランキング1位は平均勤続年数23.3年の郄島屋。2017年度の中途採用は83人、2018年4月入社の新卒採用77人で中途採用比率は51.9%だ。男女別の平均勤続年数は男性21.9年に対して女性24.4年となっており、「『女性が長く働ける』トップランキング」(データは2018年度版のもの)でもトップになっている。

2017年度の有給休暇取得率は71.7%。子や孫の学校行事への参加を促す「スクールイベント休暇」、単身赴任中の社員が自宅に帰省する際に使える「おかえりなさい休暇」など、休暇制度は幅広い。女性活躍度も以前から高かったが、女性管理職比率30.4%、女性部長比率15.1%と、以前から高いレベルの女性活躍はさらに近年加速がついている。

2位は高級特殊鋼から世界首位級のネオジム磁石まで高シェア品を展開する日立金属で21.0年。中途採用比率は60.3%(中途228人、新卒150人)となっている。同社も平均勤続年数は男性21.0年、女性21.4年と女性の方が長い。社員数は男性5654人、女性661人と男性優位だが、3歳までの育児休業制度や短時間勤務制度、フレックスタイム制度など女性にとって働きやすい環境が整備されている。

3位はアパレル向けの工業用ミシン世界1位のJUKIで20.4年。中途採用比率は54.8%(中途17人、新卒14人)だ。有期契約の専門社員を正社員へ登用するなど優秀な人材を積極的に採用している。全体の女性比率は22.0%と決して多くはないが、女性管理職比率は7.0%と高い数字となっている。希望者は65歳まで全員雇用。定年退職後の再雇用者がムリなく働けるようワークシェアリングを導入するなど長く活躍できる職場づくりを進めている。

以上が勤続年数20年を超えている会社だ。

上位にはBtoBのメーカーが多数ランクイン

4位は半導体製造装置大手のSCREENホールディングスの19.9年(中途採用比率50.4%)。ウエハ洗浄装置で世界断トツのシェアを有する高い技術力を誇る。平均年収は955.4万円、2017年度の有給休暇取得率74.5%と高レベルの待遇と働きやすさも両立している。

以下、5位ツムラ19.8年(中途採用比率57.1%、以下同)、6位マクセルホールディングス19.6年(68.1%)、7位ジャパンディスプレイ19.1年(52.5%)、8位デクセリアルズ19.0年(57.4%)と続く。上位には、法人を対象に製品を作るBtoB企業が多いのが特徴といえるだろう。

勤続年数の長い会社は、一般的に福利厚生などが充実して働きやすい職場が多い。そうした中で中途採用を増やしているのは中堅世代が薄くなっていることが理由の一つとして考えられる。

たとえば、1位郄島屋の世代別従業員(『CSR企業総覧(雇用・人材活用編)』2019年版)を見ると50代1914人(比率39.9%、以下同)、40代1938人(40.4%)、30代612人(12.7%)、20代以下337人(7.0%)と40代以上が8割を占める。現在、同社を支えている50代、40代は、まだしばらく活躍してくれるだろうが、将来を考えると今の30代を中心に中途採用で厚くしておきたいと考えるのは自然だ。

こうした中年層以上が多い年齢構成が逆ピラミッドの会社は伝統的な優良企業によく見られる形だ。若い人にとっては多くいる先輩方からじっくりと仕事を学ぶことができ着実に成長できる職場の可能性が高い。

勤続年数は会社を知るための基本情報だ。さらに今回の中途採用情報を組み合わせていくと比較的若い世代を欲しがっている会社を見つけることができる。ほかにも多くのデータを『CSR企業総覧』などで確認し、より自分にあった職場を見つけていただきたい。