JR高速バスに積み込まれる金沢産の野菜や加工品(18日、金沢市で)

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 金沢産の野菜と農産加工品を東京に運ぶ貨客混載の高速バス「産地直送あいのり便」の初便が18日、西日本JRバス金沢営業所を出発した。バスのトランクスペースを使って生産量が少ない「加賀野菜」などを輸送し、販路拡大や運送費のコスト削減、農家の所得増大につなげる。今後、月に4便程度の運行と都内各所での即売会などを計画する。

 輸送されたのはサツマイモ「五郎島金時」や「加賀れんこん」「金沢春菊」などの加賀野菜と加工品各9品目の計4ケース。JA金沢市が集荷した。金沢営業所前で積み込み、JAの辰島幹博常務は「小ロットでも可能な新しい輸送事業となる。金沢産野菜の発信の広がりに期待する」とあいさつした。

 バスは午前9時半に金沢駅発、午後5時22分に新宿駅着の「金沢エクスプレス2号」。野菜マーケティング販売などのアップクオリティ(東京)が運営を担当し、19日、三菱地所(同)の社員に直販する。アップクオリティによると、バス会社と連携した農産物の貨客混載輸送は9県目。担当者は「都内のレストランやスーパーからも注文を取りたい」と話した。

 西日本JRバスでは農産物の貨客混載輸送は初めて。金沢営業所の丸岡範生所長は「バスは3列シートで定員が28人と少なく、トランク収納に余裕がある。定期便を使って輸送したい」とした。

 JAの辰島常務は「昨年の試験輸送では鮮度が高く、速く届くと好評だった。生産量の確保が今後の課題だ。これまで以上に、若い人にも加賀野菜を栽培してもらいたい」と期待を寄せる。