001系「Laview」と10000系「ニューレッドアロー」

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西武鉄道の新型特急車両・西武001系「Laview(ラビュー)」が2月14日(木)、報道関係者に公開された。西武鉄道の特急車両としては西武5000系「レッドアロー」、西武10000系「ニューレッドアロー」に続く3代目。3月16日(土)から西武池袋線・秩父線にて運行を開始する。

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■ 赤いラインのない銀一色の車体

これまでの西武鉄道の特急車両は、車体に「レッドアロー」の愛称の由来である赤色の帯が入っていたが、Laviewはアルミ素材の車体に銀一色の塗装を施したデザインとなっている。塗装は都市や自然など周囲の風景をふんわりと写しこむようになっており、さまざまな風景に溶け込むこれまでにない外観を実現している。

車両の先頭形状は球面形状とし、前面ガラスには曲線半径が1500mmの三次元の曲面ガラスを採用。客室窓には縦1350mm、横1580mmの大型窓ガラスを配置し、これまで以上に車窓からの景色を楽しむことができるようになっている。

■ イエローを基調とした車内

車内の内装やシートカラーはイエローを基調としているが、派手さはなく全体の調和がとれた配色だ。座席シートは、ソファのように丸みを帯びてゆったりとしたデザインで、乗客の背丈に合わせて調節できる手動式可動枕が備え付けられている。

座席背面には大型テーブルを備えるほか、さらにひじ掛け部分には引き出し式のインアームテーブルを設置。飲み物の容器など小物を置くだけなら大型テーブルよりもスペースを取られない分ゆったりと座れるほか、向かい合わせに座席を転換しても使用することができる。さらに床面にはカーペットが敷かれており、物を落としても大きな物音は響かず、破損の恐れも少ない。

各座席にはAC100Vの電源コンセントを設置し、車内には「SEIBU FREE Wi-Fi」が導入されており、観光にもビジネスにも利便性が向上されている。

1号車には車いすの乗り入りが可能なスペースが用意されており、さらに単独で設置されたシートは、その他のシートと違いひじ掛けが上がるように設計されている。車いすを利用する人も、シートに移乗して過ごすことが可能だ。

トイレ設備は1号車と5号車に設けられている。1号車には多目的トイレを、5号車には男女共用トイレと女性用トイレをそれぞれ配置。さらに5号車にはパウダールームを設け、拡大鏡やチェンジングボード、おむつ交換シートを設置する。

■ 想像以上にリラックスできる旅程

内覧の後、記者は約30分間の試乗を体験した。座席に収まって感じるのは、大型の窓ガラスによる開放感だ。膝下まで広がる窓ガラスから見る風景は、これまでの車両とは見え方が変わってくる。

また、乗車前は、窓ガラスが大きいことで落ち着かないのではないかという懸念があったが、ガラスにはグラデーションのドットが入っており、いい意味で従来の仕切りが入っているような感覚が得られた。

シートもフィット感があり、長時間の移動でもストレスなく過ごせそうだと感じた。また、ビジネスシーンでは移動の際にシートで眠りたいという人もいるが、可動式枕とリクライニング、カーテンを使えばそういった用途でも満足できそうだ。走行音も比較的静かで、まさに「リビングのような空間」が実現されている。

Laviewの運行は、2019年3月16日(土)のダイヤ改正に伴いスタートする。西武池袋線・秩父線を走る特急「ちちぶ」「むさし」に導入され、平日は下り5本、上り6本、休日は下り・上りともに5本の運行本数となる。当面は10000系と001系Laviewが併用される形となるが、特急料金は現在のレッドアロー号と同額だ。

西武鉄道では今後、2019年度末までに現在池袋線・秩父線で運行される特急列車を全て10000系から001系Laviewに置き換える予定。なお、西武新宿線を走る特急「小江戸」については、2019年2月現在、Laviewの導入予定は発表されていない。

なお、運行にさきがけ、3月2日(土)・3日(日)、西武球場前駅にて「新型特急『Laview』お披露目イベント」の開催が決定した。車両内覧会・撮影会(事前申込制)や、デビュー記念グッズの販売が行われる。(東京ウォーカー(全国版)・国分洋平)