第89回アカデミー賞のハプニングを再現するジェンキンス監督

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 第89回アカデミー賞において『ムーンライト』で作品賞を受賞したバリー・ジェンキンス監督が初来日し、13日に都内で行われた新作『ビール・ストリートの恋人たち』(2月22日公開)公開記念トークショーに登壇。日本時間の今月25日に開催される第91回アカデミー賞に向けた胸中を語った。

 同作は、1970年代ニューヨークのハーレムを舞台に、無実の罪で逮捕された青年とその恋人の試練を描くラブストーリー。前作に続き、数々の映画賞で206ノミネート、71受賞を記録(2月4日時点)しており、第91回アカデミー賞では「脚色賞」「助演女優賞」「作曲賞」にノミネートされている。

 授賞式を控えた今の気持ちを尋ねられたバリー監督は、「興奮しているけど、前回はいろいろあったからね。PTSDを抱えての授賞式になるかな」とにこやかにコメント。これは、第89回アカデミー賞において、作品賞を『ラ・ラ・ランド』と誤発表した前代未聞のハプニングのことで、ジェンキンス監督は当時を再現。通訳のメモ帳を受賞作品が書かれたカードに見立てて作品名を言い直すパフォーマンスを繰り広げ、観客の笑いを誘った。

 この日は、ジェンキンス監督の大ファンである「水曜日のカンパネラ」のボーカル・コムアイも登壇し、花束とバレンタインチョコレートをプレゼント。さらに、作品にまつわるトークを展開する中で、ジェンキンス監督は「『東京物語』(1953)の小津安二郎監督に影響されているところがあります」と告白。『ムーンライト』にもあったが、同作ではそれ以上に、劇中のキャラクターが観客に目線を合わせるシーンがたくさん入っているそうで、「それは『東京物語』を観て知った手法」と説明。

 また、ジェンキンス監督は「アイコンタクトにより、人種や性別を超え、感情や体験を交換できる」という考えを持っており、「日本には黒人があまり多くないので、直接目を合わせる機会はあまりないかもしれません。この映画で、僕たちアフリカ系アメリカ人とアイコンタクトして、僕たちの体験を味わってください」と呼び掛けた。(取材:錦怜那)