「味噌ラーメン」(900円)。スープの表面にはラードの膜が張られていて最後まで熱々。こってりと濃厚だが、生姜が効き後味はサッパリ/(C)KADOKAWA 撮影= 宮川朋久

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札幌で3店舗を展開している味噌ラーメンの名店「すみれ」。その道外唯一の支店が「新横浜ラーメン博物館」にあったが、2018年12月2日をもって惜しまれつつ卒業した。行列が絶えない人気店だったため、“すみれロス”に陥ったファンも多かったと思うが、そんな人たちに朗報。2019年2月13日に横浜・野毛町で電撃復活を果たしたのだ。

「本店と変わらぬ味をお楽しみください」と店主の村中伸宜氏。今後は期間限定ラーメンも出していくそうなのでそちらも見逃せない/(C)KADOKAWA 撮影= 宮川朋久

■ ファンの声に応え、第二の故郷・横浜で待望の路面店をオープン

「すみれ」の創業は1964年。初代店主の村中明子氏が札幌・中の島で開いた「純連(すみれ)」がルーツで、1989年に明子氏の三男・伸宜氏が後を継ぎ、屋号を平仮名の「すみれ」に改め、札幌ラーメン界をけん引してきた。

そしてさらなる転機となったのが1994年。その年にオープンした日本初のラーメン複合施設「新横浜ラーメン博物館」に出店し、その存在は関東でも広く知られるようになった。その後2004年に一度は卒業したが、2012年に再出店。2018年12月までトータル15年以上に渡って横浜でも愛されてきた。

「横浜はもはや『すみれ』の第二の故郷。『ラーメン博物館』を卒業しても、営業を続けてほしいというお客様の声を多数いただいたので路面店を出すことにしました」と、今回の復活オープンに至ったいきさつを店主の村中伸宜氏は説明してくれた。

■ 2017年に麺を切り替えるなど、今なお進化し続ける!

「すみれ」の代名詞が「味噌ラーメン」(900円)。豚骨ベースの味噌スープをラードとニンニク、野菜と一緒に中華鍋で炒める一杯は、創業以来変わらない伝統の味だが、実は時代に合わせて日々進化させている。

その一つが麺。創業から50年以上に渡り、札幌の老舗製麺所「森住製麺」のものを使っていたが、2017年から「西山製麺」に切り替えたのだ。長年の盟友と袂を分かった理由を村中氏は「よりおいしいラーメンにするため」とキッパリ言い切った。

新たな麺は「西山製麺」が「すみれ」のためだけに開発した特注で、その名も「特製33丸(すみれ)麺」。香りと風味豊かな北海道産の高級小麦をメインに、あえてややクセのある外国産の小麦をブレンドすることで濃厚味噌スープに負けない個性を追求した。熱々のスープと合わせてもシコシコとした食感と卵麺ならではの風味がしっかりと伝わる。

味噌ダレやスープ、チャーシューなども然り。それぞれ常に改良を重ね、ブラッシュアップさせている。また、設備面も路面店になったことで充実。「厨房が広く、設備も整っているので、札幌の『すみれ』と変わらない味に仕上げることができました」と村中氏。

さらに、店舗2階には「BAR nob」を併設(2019年3月30日オープン予定)。60分2,000円で焼酎やハイボールなどが飲み放題に。シメのラーメン(別途有料)も食べられるそうで、酒場激戦区・野毛町の新たな名所になりそうだ。

【ラーメンデータ】<麺>中太/角/縮れ <スープ>タレ:味噌 仕上油:ラード 種類:豚骨・魚介(煮干し)

■すみれ 横浜店 住所:神奈川県横浜市中区野毛町1-26-5 野毛サーク1F 電話:045-315-2252 時間:11:30〜15:30、17:30〜23:30(各LO)休み:不定休 座席:28席(カウンター10、テーブル18) ※禁煙 駐車場:なし 交通:横浜市営地下鉄ブルーライン桜木町駅南2B出口より徒歩2分、JR桜木町駅西口より徒歩5分

【取材・文=河合哲治郎/撮影=宮川朋久】(横浜ウォーカー・横浜ウォーカー編集部)