気合の入った表情で投球練習をする西。福留に感謝感激だった(撮影・水島啓輔)

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 阪神春季キャンプ(12日、沖縄・宜野座)浅慮なく、エグります! 阪神・西勇輝投手(28)が12日、ブルペンで今キャンプチーム最多の150球を投じ、福留孝介外野手(40)と“対戦”。憧れの先輩へ内角攻めを要求し、ズバッズバッ! 「幸せ」と大感激した。

 ついに小さい頃のヒーローと“対戦”する機会が訪れた。思わず、鳥肌が立った。ナゴヤドームのスタンドから目の当たりにした光景がフラッシュバックした。体を巻きつけるようなバットスイングに強肩強打。少年に戻った西が大喜びした。

 「緊張もしましたけど、あこがれている人なので、すごいうれしかったですね。すごい幸せな時間でした」

 午前中のブルペン。あこがれの人は60球を過ぎたあたりから、やってきた。捕手後ろのネット越しにチェックされる。67球目で打席に入ってきた。さすがに、しばらく外角の球を続ける。でも、こんなチャンスを逃すわけにいかなかった。81球目を投じる直前、ついに、予告した。

 「いいですか?インコース」

 無言で福留はうなずく。西も大きく息を吸い込み、腕を振った。いくら制球力に自信があっても、抜ける球が3球、あった。でも、先輩は体に近くにきても、逃げずに、どっしり見極め、決まればウンウンとうなずいてくれた。それが至福だった。福留との33球のうち、内角には19球。福留が打席に立ってもらわなければ実現できなかったトレーニングだった。

 「練習のときから投げさせてもらえるなんて、なかなか、ない。うれしいなというのは、やっぱりありました」

 三重出身。自然と中日で主軸を務める福留を追い求めていた。「ホームランの姿とか、強肩、好守、パフォーマンス。小学生の時には(福留の)ユニホームを着ていっていたくらい」。オリックスに所属していた2013年1月には自主トレ場所が同じで初対面。「西です」とあいさつすると「ノーヒットノーランをしたね」と、海の向こうから覚えていてくれた。今や同じチーム。緊張の糸が緩みかねないキャンプ中盤に引き締めてくれたことに最敬礼だった。

 「自分のピッチングをしないといけないと思う。いかにスムーズに入れるかどうか。しっかり5クール目くらいまでに意識していきたいです」

 午前、午後と2度ブルペンに入り、計150球。第3クールで計287球を投げ込んだ右腕に矢野監督も「何の心配もしていない」とうなずく。福留の恩義に応えるには投げ勝つしかない。濃密な18・44メートル。いよいよ、総仕上げに入る。 (箭内桃子)

大山「一流の投手の球を見られたことはプラスになる。なかなか経験できないこと。きょうのイメージを頭に残してやっていきたいです」

D3位・木浪(ホンダ)「きれいな球でした。一流の球だと感じました」

★今キャンプの西

 新虎の投げ込み王。連日ブルペンに入る姿が目立っている。キャンプ2日目には阪神園芸のサポートもあり、今季から新たに導入された硬めの土へも適応した。2度目のオフとなった8日には才木と散歩やテレビゲームなどでリフレッシュする姿を自身のインスタグラムにアップした。