松坂は、言葉少なに球場を引き揚げた (撮影・甘利慈)

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 沖縄・北谷キャンプでファンに右腕を引かれて右肩に違和感を覚えた中日・松坂大輔投手(38)が、長期離脱する可能性が12日、浮上した。この日は沖縄県内の病院で「右肩炎症」と診断され、キャッチボール再開のめどは立たない状況。与田剛監督(53)は、北谷球場で松坂と“緊急会談”を行い、沖縄を離れて右肩の治療に専念することも容認する方針を示した。

 北谷球場内の一室が重々しい空気に包まれた。沖縄県内の病院で「右肩炎症」と診断された松坂と、与田監督、球団首脳、トレーナーらが集結。今後のリハビリをどうするか、議論が交わされた。練習に参加しなかった松坂が帰り際につぶやいたセリフは、たったひと言だ。

 「球団からリリースがあると思うので…」

 いつもの“ダイスケスマイル”はない。キャンプ序盤、ファンに右腕を強く引かれた際、2015年に手術を受けた右肩に違和感を覚えた。それから数日が経過しても状態は変わらなかった。

 与田監督は「俺には(症状は)わからない」とキャッチボール再開のめどが立たないことを改めて明かすと、北谷キャンプから離脱する可能性も、示唆した。

 「北谷にいることがいいのか、それとも沖縄を離れたほうがいいのか、どういう形で治療をしたほうがいいのか。それは私にはできない判断ですから。安易に私がどうこう言えない」

 右肩炎症が軽症ではないことを物語る、指揮官の言葉。長期離脱となる可能性も出てきた。

 中日にテスト入団した昨季、右肩手術から復活して6勝を挙げ、カムバック賞を受賞。全国の野球ファンに感動を与えた。そこに至るまでの3年間、松坂が治療のために全国各地の病院や治療院に通っていたのは、指揮官も本人から聞いている。だから今後のリハビリについては、松坂に一任する。

 「(手術を経験すると)体が怖さを覚えていて、どうしても拒否反応というか、恐怖感が出てくる。また(故障と)戦っていかなければいけないとね」と松坂の思いを“代弁”した与田監督。劇的に回復してほしいという思いと、野球生命を奪うようなけがではないようにという願いが、交錯していた。 (三木建次)

★アクシデントは第1クール中

 中日・矢野球団社長は、松坂のアクシデントが発生したのは第1クール中だったことを明かした。「何日か様子を見たそうだが、右肩の違和感は消えなかったようだ」。今回、右腕を引かれたことが原因だったことを公表したことについて、同社長は「選手は体が資本。ファンも節度をわきまえてほしい、という思いがあったから」と説明した。球団は、球場につながる選手の移動通路の幅を広げ、ファンから触れられにくくするなどの対応を取るという。