「au ID」をドコモ・ソフトバンクユーザーにも開放 決済や金融サービス提供
KDDIの高橋誠社長は2月12日、2019年夏をめどにauサービスをキャリアフリー化すると発表しました。「au ID」や決済サービスの「au Pay」、各種金融サービスをauユーザー以外にも開放。決済・金融を軸にするサービスとしてのauを訴求します。

リニューアルする「au WALLETアプリ」を全ての入り口として、QRコード決済の「au Pay」や「小額ローン」「お釣り投資サービス」などの新たな金融サービスを2019年度内に開始します。これをキャリアフリーとすることで、 auユーザー以外にもリーチを拡大します。

他社に比べて後発の「au Pay」(4月開始予定)に関しては、au Walletの2000万口座・1000億円残高を引き継ぐほか、2019年度早々に楽天Payとの提携で100万スポットで利用できるため、挽回を図れるとアピール。また「食べログ」とビッグデータ分析基盤を共同で構築する店舗支援も予定します。

au Pay・金融・保険をひとまとめ


またKDDIは「スマートマネー構想」を掲げ、決済・金融・保険業のグループ会社を傘下に収めた中間持株会社「au フィナンシャルホールディングス」を設立します。この実現に向けて「じぶん銀行」を連結子会社化するほか、カブドットコム証券の完全子会社化に向けたTOB(株式公開買い付け)を実施予定。同ホールディングスの傘下となる7社は全てauブランドにリブランドされます。

▲「au ID」を軸に、ショッピングや決済・金融サービスをキャリアフリー化


▲「auスマートマネー構想」ではau Walletアプリが全決済・金融・保険サービスの入り口となる


▲同構想の実現に向けた中間持株会社「KDDI フィナンシャルホールディングス」を設立

スマホ中心の金融サービス「どうしても破壊が必要になる」


同構想を発表した高橋社長は、金融サービスについて、途上国のようにスマホ上で完結するのが理想としつつも、既存インフラが成熟した日本では『どうしても(既存インフラの)ディスラプト(破壊)が必要になる』と指摘。一方、通信事業者であるKDDIはディスラプトなくスマホに最適化した金融サービスを提供できるとアピールしました。

また、auサービスのキャリアフリー化に踏み切った理由については「加盟店さんとお話するなかで『auだけなの?』と当然なってくるわけで...」とコメント。加盟店獲得に向けて、auユーザーに限定したサービスでは不利であった事情も明かしました。

auサービスは今夏キャリアフリー化する