火野正平

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 昭和を代表する色男、火野正平(69)が胸の裡を明かした。といっても、色恋や自転車旅の話ではない。元宝塚歌劇団の男役トップスター、鳳蘭(73)の事務所移転通知をきっかけに、さまざまな人と思惑が絡み合う一件についてである。さて、なにを語ったか。

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【写真】関係先へと送った書面

 元宝塚歌劇団の男役トップスター、鳳蘭。40年前に退団してからは女優としてミュージカルや舞台で活躍し、いまなお現役である。

 今年初め、彼女が関係先へと送った書面には、新年の挨拶とともに事務所移転先と年始の営業開始日などが記されていた。次の一文をのぞけば、ごくありふれた内容だ。

〈この度、長年に渡る金銭の私的流用が発覚し、本人も認める事となりましたので、解雇致しました。この旨、合わせてご連絡いたしますので、ご承知置き下さいませ〉(原文ママ)

〈この度〉の前、掲載写真の黒塗り部分に、鳳のマネージャーとして付き添ってきた60代女性の実名が記されている。彼女はいまから35年前、1984年に鳳が個人事務所を立ち上げて以来、二人三脚で歩んできた人物だ。

火野正平

 それを“長年にわたる私的流用”で解雇。右腕とも言うべき存在を見せしめのように晒すとは、よほどのことがあったに違いない。鳳の知人が明かすには、

「株式会社だった鳳さんの事務所を一度たたみ、再出発するため昨年11月に10年分の決算を確認しました。すると、鳳さんがまったく認識していない使途不明金が出てきたというのです」

 事務所内で調査した末に判明したのは、

「マネージャーが私的流用したらしいという事実です。これを彼女に質したところ、流用を認めた。それで、その事実を文書にして署名と捺印をさせたといいます。鳳さんはかなりショックを受けていましたけれども、横領金の一部が返金されたこともあって、コトを荒立てずに昨年末で解雇する形で決着させたのです」

 鳳のもとを、一人の女性が去っていった――。聞く限りでは歴とした横領事件だが、あくまで身内の話。

「なので、あれこれ言うまいという気もしますが、実はこの女性には“別の顔”があります。俳優の火野正平さんの内縁の妻として、周囲に知られた存在だったのです」

“昭和の色男”の内縁妻とは、捨て置けない。鳳の知人に続けてもらおう。

「彼女は、鳳さんが事務所を立ち上げる前、82年ごろから火野さんと事実婚生活を続けてきました。成人した娘さんも2人います。鳳サイドは、横領金が火野家の生活に遣われた可能性も疑っていたようですよ」

 火野といえば、いまでこそNHKの「にっぽん縦断こころ旅」で全国を自転車で旅し、視聴者からの「こころの風景」という手紙を読む好々爺になっている。

 しかし、かつて女性と流した浮名は数え切れない。最高“11股”を報じられ、“握手しただけで妊娠する”などとも言われた、プレイボーイの代名詞である。

 そんな男とともに40年近くも歩んできた内縁妻は、なぜ事務所の金に手をつけたのか。人気番組を持っているにもかかわらず、火野家の家計は逼迫していたのか。それとも、過去の女性への清算金が嵩んだか。

鳳の取り巻き

 とにもかくにも、当事者たちから詳しい事情を聴く一手である。しかし鳳は、

「それはもう終わっていることなので、お話ししたくありません」

 と、頑なに説明を拒むし、鳳蘭事務所も、“元マネージャー”について、

「彼女とは鳳の宝塚時代からの付き合いで、信頼して任せていました。なぜこういうことになったのか不思議です。私的流用はまちがいありませんが、その一部は返金済み。すでに解決していることでもあり、大ごとにしたくないのです」

 であれば、書面で解雇のお知らせを出さなくても、よかったのではないか。

 次に内縁妻を訪ねたところ、火野が彼女の“盾”となって意外な事実を語りはじめたのだ。

「うちのかあちゃんは絶対に、横領なんて大それたことはしていない。俺は信じている。それに、なんで俺がかあちゃんのカネ、遣わなくちゃいけないの。俺、仕事しとるぞ、ちゃんと」

 紫煙をくゆらせつつ、説明に入る。

「向こうが言っているのは、千数百万の私的流用ってこと。彼女は、俺に黙って千数百万のカネを必死にかき集めて向こうに渡したんだよ。一部じゃない。それで全額だ。俺は、“カネを渡したってことはお前、私的流用を認めたことになるんだよ”と言ったけど、かあちゃんは、“どうしようもなかった。もう忘れたいんだ”、と」

 そして、憤然とした様子でこう切り出した。

「あのなあ、ぶっちゃけて言ってやろうか。そもそも、鳳さんの事務所は我が家の1階に入っていたんだけど、仕事の面だとかで色々あって、縮小しなくてはならなくなった。そんなとき、かあちゃんが鳳さんの取り巻きたちに呼ばれて、“あんたはこれだけ遣ってるだろ”と詰められたんだ。彼女は真っ白になって、ワケも分からないまま拇印を捺してしまったんだよ。そうなるよう仕向けた人物がいるってことだ」

 事務所内で、鳳の“側近”の座をめぐる争いがあったと言いたいらしい。その結果、鳳のもっとも近くにいたマネージャー、つまり内縁妻が放り出されたということか。“そう仕向けた人物”を知っているはずの彼女は、

「私にとって鳳蘭は、いまでも誇りに思う大切な女優です。だからなにも話せません。むしろ私にも、どうしてこんなことになったのかが分からないぐらいなんです……」

 これだけ言うと固く口を閉ざした――。

「週刊新潮」2019年2月7日号 掲載