防衛省公開動画(YouTube)より

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◆1/21防衛省最終報告の分析。防衛省は何を主張しているのか

 日韓軍事インシデント「日韓電探照射問題」シリーズは、今回で第8回となりました。今回は、防衛省の最終報告に焦点を当てます。(参照:韓国海軍駆逐艦による自衛隊機への火器管制レーダー照射に関する防衛省の最終見解について 防衛省 2019/01/21)

 なお、記事中のレファレンスについては配信先によってはリンクされなくなる場合があるので、その場合はハーバービジネスオンライン本体サイトからご覧ください。

 かなり装飾の多い文書ですが、要点を抜き出すと以下のようになります。

1)日時: 2018/12/20 15時頃。

2)場所: 能登半島沖、日本海の我が国の排他的経済水域(EEZ)内。

3)主体:P-1哨戒機。

4)何が起きたか:韓国艦船の写真撮影中、火器管制レーダーの照射を受けた。

5)どうしたか:直ちに避退した。

 以下、防衛省側の主張を箇条書きでまとめます。

6) 火器管制レーダーの照射は、火器の使用に先立って実施する行為。2014 年に採択したCUES(Code for Unplanned Encounters at Sea=洋上で不慮の遭遇をした場合の行動基準)では、こうした行為は攻撃の模擬とされ、指揮官が回避すべき動作の一つとして規定。

7)韓国側は火器管制レーダー照射を認めない。

8)韓国側は防衛省に「事実の歪曲」の中止と「低空で脅威飛行したこと」への謝罪を求めた。

9)防衛省の専門部隊で海自P-1 哨戒機に照射されたレーダー波の周波数、強度、受信波形などを慎重かつ綿密に解析した結果、海自 P-1 哨戒機が写真撮影等を実施した韓国駆逐艦の火器管制レーダー(STIR-180)からのレーダー波を一定時間継続して複数回照射されていたことを確認した。

10)火器管制レーダー照射の更なる根拠として、海自P1 哨戒機の乗組員が機上で聞いていた、探知レーダー波を音に変換したデータを、保全措置を講じた上で、防衛省ホームページにおいて公表した。

11)防衛省は、本年1月14日の実務者協議において、相互主義に基づき、解析結果のもととなる探知したレーダー波のデータやレーダー波を音に変換したデータなど事実確認に資する証拠と、韓国駆逐艦の火器管制レーダーの性能や同レーダーの使用記録などを、情報管理を徹底した上で突き合わせ、共同で検証していくことを提案したが、受け入れられなかった。なお、昨年12月27日の実務者協議でも、同趣旨の提案をしている。また、本年1月14日の実務者協議では、事実確認に資する証拠の一つとして、探知したレーダー波を音に変換したデータを持参し、その場で韓国側に聴取してもらうことを提案したが、韓国側はその提案も拒否した。

12)韓国国防部報道官は、翌15日に、「無礼」との外交的にも異例な用語を用いて、防衛省の提案を非難した。

13) 同月14 日の実務者協議の詳細について、事前の合意に反して、事実と異なる内容を一方的に明らかにした。

14)一連の韓国側の対応ぶりや、これまでの韓国側の主張が一貫しておらず信頼性に欠けるものであることを踏まえると、韓国側が事実とは全く異なる主張を繰り返していると結論付けざるを得ない。

15)これ以上実務者協議を継続しても、真実の究明に資するとは考えられない。

16)韓国は謝れ!

さらに以下、防衛省側の補足説明をまとめます。

【海自P-1 哨戒機の飛行について】

17)軍用機の最低安全高度を直接定める国際法はないが、海自 P-1 哨戒機は、安全を確保するため、国際民間航空条約に則った我が国航空法に従って飛行しており、韓国駆逐艦に脅威を与えるような飛行は一切行ってない。

18)米軍やNATOの通常のオペレーションも、同様の基準に則って行われていると承知している。