Suica入りiPhoneを紛失! 電子マネー残高、定期を無事に復元させる苦行を体験

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新年早々iPhone XS Maxを紛失してしまいました。
スマートフォンには、個人情報などのデータが保存されているので、いざ紛失すると深刻な影響が発生することもあります。

今回は、2019年新年早々に紛失したiPhone XS Max体験を元に、現在のスマートフォン紛失の対応策を確認してみましょう。

筆者のiPhone XS Maxですが、本体データは、
iCloud経由でiPadなどとも同期されているため、データ消失という事態やダメージはほぼ回避できました。
また幸いにもiPhone本体も補償サービスに加入していたため、2万円弱の支出で本体を再度入手することができます。さらに20万円近い本体代金を支払って、新規に購入し直す必要はありませんでした。

しかし、ここで1つ、大きな問題が発生します。
それが「モバイルSuica」です。

iPhone 7以降では「Apple Pay」が登場しています。
筆者のiPhone XS Maxも、モバイルSuicaを利用していました。
・Android版
・フィーチャーフォン版
これらと違い「年会費が取られない」メリットがあったからです。

そこで筆者は、電子マネーとしての使い勝手も良かったので、モバイルSuicaを初めとする電子マネーをすべてiPhone XS Maxにまとめていたのです。


モバイルSuica以外の電子マネー「iD」や「QuickPay」はクレジットカードが手元にあるため、都度財布から取り出して利用する手間こそありますが、iPhoneが手元になくとも利用できます。

ですが、モバイルSuicaだけは
・持っている物理カードを取り込んで、iPhoneで使えるようにする(=物理カードが使えなくなる)
・iPhone内で新規にSuicaを発行する(=物理カードが存在しない)
こうした仕組みになっているため、iPhone XS Maxなしではどうにもできないのです。

電子マネーの再発行はこれまで、Androidスマートフォンやフィーチャーフォンでは経験があります。
しかし、
・iPhoneでのApple Pay
・モバイルSuica
これらについては初めての経験でしたので、戸惑うことも多くありました。

今回はその体験をご紹介いたします。


○手続きは「みどりの窓口」ではなく、Webか電話? 



Suicaを始め、切符・旅券の手続きといえばJR東日本であれば真っ先の思い浮かべるのは駅の窓口です。それもSuicaの再印字や再発行が行える「みどりの窓口」でしょう。

しかしながら、みどりの窓口ではApple Payを含むモバイルSuicaの手続きは行えません。

実は、モバイルSuicaに関する手続きは
・会員Webサイト
・コールセンター
このどちらかで行う必要があるのです。




JR東日本 SuicaのWebサイトには、
携帯電話の紛失時の手続きについてフローチャート式のQ&Aが用意されています。
筆者も、今回はこれに従って再発行の手続きをどう行うのかを確認しました。

iPhoneを紛失し、再度iPhoneでモバイルSuicaを利用するには
・旧端末からSuicaの登録を削除(サーバーに預ける)
・新端末でモバイルSuicaを再発行(登録)
この手順を取る必要があるとのこと。

しかし、これはiPhoneからiPhoneへ買い替えた場合の操作と同じです。
つまり、iPhoneを紛失し、手元に旧端末がない状態ではSuicaの登録を削除できません。

Suicaが削除できないとなると、あとは返金手続きを取る方法もあります。
しかし今回の筆者の場合は、
・モバイルSuicaには定期券が登録されている
・定期券は、使用開始から僅か数日である
・一ヶ月定期なので返金が望めない
こうした状況であったので、返金手続きではなく再発行できるのがベストでした。


○Suicaの削除は「iCloud」のWebサイトからできる?
そこで色々と調べていくと、パソコンでAppleの「iCloud.com」にアクセスしてログインすることで、Apple Payに登録されているカードが削除できることがわかりました。




PCのブラウザでiCloudにアクセスし、筆者のApple IDでログインをした後
1) 設定
2) マイデバイス
と進んでいくと、自分のApple IDに紐付いたiPhoneやiPadの一覧が表示されます。




ここで紛失した自分のiPhoneを選択します。
すると、そのiPhoneのApple Payに登録されているSuicaを削除(サーバーに預ける)することができます。

ここでSuicaを削除することで、
紛失したiPhone XS Maxに入っていたSuica情報をAppleのサーバーに預けた状態に変更できます。
その後に、新しいiPhoneで通常の機種変更と同じ手順でモバイルSuicaの再発行を行えば、これまでチャージしていた残額はもちろん、定期券の情報なども引き継いで利用することができます。

筆者は、上記の手順に行き着くまでに1日ほどかかりました。
さらに、この手順で紛失したiPhoneからSuicaを削除した場合、
新しいiPhoneでの再発行は、削除した翌日まで行えません。


また、注意したいのが、2段階認証を設定している場合です。

2段階認証を設定していると、パソコンでiCloud.comにログインする際に、
紛失したiPhoneに対して2段階認証のログイン許可を求めるメッセージが飛びます。

そうです。
iPhoneを紛失している場合、このメッセージを受信できません。
さらに新しいiPhoneの初期設定でもApple IDの設定が行えなくなります。

回避手段としては、
Apple IDに登録してある電話番号宛のSMSで認証番号を受け取るという方法があります。しかし、その電話番号すら使えない場合、さらに24時間〜48時間ほど、Apple IDのログインのための確認に時間がかかります。

スマートフォンの電子マネー機能はとにかく便利です。
しかし今回の筆者のSuicaのように、物理カードが利用できない場合、
iPhone紛失後に、再度利用できるようにするまでには、かなりの手間がかなり大変だと感じました。

筆者も
・IDやパスワードを忘れている
・2段階認証をどうやっても超えられない
こうした状況になっていたら、Suicaの残高と、ほとんど使っていない定期券を諦めるしかありませんでした。

現在はスマートフォン1台に様々な電子マネーがまとめられるようになり、便利な時代になったことは間違いありません。

だからこそ、紛失時のダメージは、想定以上に大きくなっていることも事実です。
筆者も、今回、身をもって経験できました。

皆様も紛失時
・スマートフォンを紛失したら、どこに問い合わせを行う必要があるか
・各電子マネーサービスのIDやパスワードは覚えているか
・2段階認証を求められた場合、紛失したスマートフォン以外でログインはできるのかや
 緊急時の通知や電話番号はほかの端末に設定してあるか
これらを、日頃から確認し、いざという事態に備えておくことをオススメいたします。


迎 悟