「目標は飛躍する」/(C)日刊ゲンダイ

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「毎月勤労統計」で火がついた「不正統計」問題が、ついにGDPの数字にまで拡大し始めた。以前から、専門家は指摘していたが、4日の国会で、不自然なGDPの伸びが取り上げられた。「勤労統計」同様、アベノミクスが成功しているように装うために計算方法を変えていたのだ。

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■国会で追及

 2015年9月に自民党総裁に再選された安倍首相はいきなり「GDP600兆円の達成」を掲げた。すると、GDPの算出方法について、15年度から研究開発費なども組み入れる「国際基準」に変更。さらに、新しく項目を追加した。その結果、16年12月に発表された15年度のGDPは、旧基準より31兆円も増えた。

 かさ上げされた31兆円の内訳は、「国際基準」要因が24兆円、「その他追加」が7.5兆円だった。

 きのうの衆院予算委で立憲民主の小川淳也議員は、欧米でも「国際基準」適用で2〜3%増えるため、24兆円増は妥当だとしながら、「その他」の7.5兆円について不自然さを指摘、「安倍政権になってうなぎ上りだ」と追及した。

 民主党政権だった12年度の「その他」は0.6兆円プラスだったが、安倍政権発足後に急増。▼13年度4兆円▼14年度5.3兆円▼15年度7.5兆円になった。

 そもそも、「その他」は過去、GDPを押し下げるマイナス要因になるケースが多かったという。実際、94年度から99年度の平均はマイナス約3・8兆円。2000年から12年度はマイナス約0.7兆円だ。

■安倍政権で膨張のカラクリ

 ところが、なぜか安倍政権になった途端、どんどんプラスが増えているのである。

 著書「アベノミクスによろしく」(17年10月)で早くからGDPかさ上げ疑惑を指摘してきた明石順平弁護士が言う。

「GDPのかさ上げは、勤労統計の調査方法を変更することで賃金を上振れさせたのと構図がソックリです。賃金の上振れは、安倍首相が『3%賃上げ』の目標を掲げたタイミングで行われています。GDPのかさ上げも安倍首相が『GDP600兆円』を口にしたタイミングで、算出方法が『国際基準』に変更され、『その他』が追加されています」

 政府は「その他」の中身について、「防衛装備品」や「不動産仲介手数料」を例示するが、安倍政権発足後、急に「その他」がプラスになるのはどう見ても不自然だ。

「GDPのかさ上げ疑惑について、ようやく国会で取り上げてくれました。『その他』についての政府の説明は腑に落ちません。野党は、安倍政権の統計偽装の本丸ともいえるGDPに切り込んでほしい。真実が明らかになれば、国家ぐるみの粉飾決算ということになり、日本の国際的信用は失墜することになりますが、安倍首相が在任中に、アベノミクスのウミをすべて出し切るべきです」(明石順平氏)

 安倍首相はきのう、GDPのかさ上げについて、「目標(達成)は、跳躍して進んでいくということだ」と言い繕った。野党は「跳躍」の正体を暴けるか。