PayPay、「100億円キャンペーン」で115億円を還元していた
PayPayが2018年12月に実施し、わずか10日でキャンペーン原資を使い切ったとして終了した「100億円あげちゃうキャンペーン」。その還元額が115億円にのぼったことが明らかになりました。

「100億円あげちゃうキャンペーン」はすべての決済で20%還元という大盤振る舞いっぷりが話題となり、家電量販店で高額な買い物をするユーザーが相次いだ結果、予算をわずか10日間で使い切り、当初3カ月の予定を大幅に繰り上げる形で終了しました。

PayPayの中山一郎社長はそのキャンペーンでの還元した実績を「115億円」と紹介。100億円を大幅に超えたことを明らかにしました。

超過した15億円のうち10億円は、ソフトバンク・Y!mobileユーザー向けキャンペーンが「同時開催」とされていたことによるもの。PayPay独自で実施したキャンペーンとは別枠で、10億円の予算が確保されていたため、上乗せする形になったようです。

一方で、キャンペーン終了日に予算を使い切った後、利用された還元額がおよそ7億円に上っています。100億円キャンペーンの終了日となった12月13日には、夜の22時に「予算を使い切って終了」と発表し、24時にキャンペーンによる還元を終了しています。終了発表から実際の終了までわずか2時間でしかも深夜に終了という、駆け込み利用を防ぐスケジュールでの発表となりましたが、当日の午後にはファミリーマートの店員と思われるSNSユーザーから内部向けの告知がリークされるなどして、想定以上に利用されてしまったようです。
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そして、還元額のうち、2億円は未だに「還元保留」とされています。これは不正利用が疑われるユーザーに対しての措置で、利用規約に反する不正利用が無いことを確認した上で還元するとしています。



■400万ユーザーを獲得「Yahoo!でも最速ペース」


キャンペーンで爆発的に認知度を高めたPayPayは、サービス開始から4カ月にして累計登録者数が400万人を突破しています。中山社長は「PayPayの親会社にあたるYahoo! JAPANがこれまでに手がけてきたサービスと比べても、最速のペース」とアピール。100億円のバラマキは、ユーザー増加へ確実に作用したようです。



PayPayの中山一郎社長

そして2月4日、PayPayは第2弾の100億円キャンペーンを発表しました。ただしこれは、前回のキャンペーンよりも還元額の制限が厳しく、高額の買い物には適さない内容となっています。多くの人が日常的に使うように習慣づけたい、そして予算をなるべく持たせつつ、大幅にオーバーするようなことがないようにしたいという意図が推察できます。
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高額な還元は期待できないものの、12月の第1弾キャンペーンで数万円単位の還元を受けている人にとっては、その還元額で決済してもさらに20%還元となるため、うれしいキャンペーンと言えるかもしれません。

■バラマキの終着地はどこに


キャンペーンで多くの話題を集めているPayPayですが、現時点では資本を投入してユーザー、加盟店を獲得している段階。加盟店手数料も当面無料となっており、実態としては手持ち資本を赤字に変えている状況と言えます。



キャンペーンで集めたユーザー、加盟店からどのように収益を上げていくかが問われるところですが、具体的な収益化はまだ先となるようです。PayPayの中山社長は「PayPayはキャンペーンがなくても便利だなと言われるよう、キャンペーンをフル活用して加盟店を充実させていきたい」と話し、積極的な投資を続けていく意思を示しました。