今大会10番を背負ったMF乾貴士【写真:Getty Images】

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左サイドハーフの定位置を巡る競争、決勝後に滲ませた10番MF乾のプライド

 森保一監督率いる日本代表は1日のアジアカップ決勝カタール戦で1-3と敗れ、あと一歩のところで優勝を逃した。

 試合後、今大会10番を背負ったMF乾貴士(ベティス→アラベス)は悔しさを露わにし、同じポジションで起用されたMF原口元気(ハノーファー)に言及。起用法を巡り「なんで自分じゃないのかという思いも何度かした」と激白している。

 試合は前半12分に豪快なオーバーヘッド弾を決められると、同27分には強烈なミドルシュートを叩き込まれた。0-2と劣勢の日本は後半24分、MF南野拓実(ザルツブルク)が1点を返して反撃の狼煙を上げたが、同38分にVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)判定によってPKを献上し、これを決められて万事休した。

 カタール戦の後半44分、南野に代わって途中出場した乾は「時間はなかったけど、一発はあると思って入りました」と振り返る。だがアディショナルタイム5分は無情にも過ぎ、ゴールをこじ開けられずに終わった。

 乾は大会直前の1月5日、負傷したMF中島翔哉(ポルティモネンセ)に代わって追加招集。グループリーグ第3戦ウズベキスタン戦(2-1)で先発するも、約1カ月ぶりの公式戦出場とあって本調子とは言えないパフォーマンスに終始した。準々決勝ベトナム戦(1-0)では後半から途中出場。今大会では3試合出場(先発1試合)ノーゴールの結果に終わった。

 左サイドハーフを主戦場とした乾は原口とポジション争いを繰り広げ、バックアッパーの位置づけが続いたが、本人はプライドを滲ませている。

悔しさを味わい、一層膨らんだ代表への思い 「チームで頑張って呼ばれたい」

「元気がずっとスタメンで出たけど悔しさしかなかった。なんで自分じゃないのかという思いも何度かした」

 決勝トーナメント進出以降、原口が左サイドハーフで連続スタメンを飾っており、乾は燻る思いを抱え続けた。もっとも、それは出場を求める選手の性だ。「それは批判ではなく、前の選手では当たり前。森保さんにも話はしていた」と乾も説明している。

「この悔しさで、チームで頑張って呼ばれたいという思いが強い」

 代表への思いが一層膨らんだという乾。自身の立場は大会中に変化し、ベティスからアラベスへの期限付き移籍が決まった。新天地で再スタートを切るなか、代表復帰を誓っている。

「新しいチームに行きますけど、自分自身がレベルアップして、ポジション争いできるように、ここに戻ってこられるようにしたい」

 中島や原口らが揃う激戦区のポジションとなるなか、乾は再び自らの存在価値を証明し、定位置を確保できるだろうか。(Football ZONE web編集部・大木 勇 / Isamu Oki)